下 暇を持て余した神々の遊び
カメのような体の上に甲羅のような頭のタコが乗っている。
その魔獣はとても大きくてそしてとても気持ちが悪いのである。
その巨大な魔獣の前には3人の男が立っている。
手にはそれぞれ鎌と水剣とビームサーベルを構えている。
「俺が右、ロウさんが左、そしてミズクレさんは真ん中お願いします。」
「分かりました。」
「了解です。」
クロさんは敵の足に鎌を入れた。
「か、硬い!!!」
鎌の刃は弾かれてしまい、そのままなぎ飛ばされてしまった。
次は僕、触手の動きを読みながら触手をサーベルで切る。
「!?この触手も硬い!!!」
切ったつもりが切れなかった。そのまま吹き飛ばされる。
ミズクレさんも攻撃をかわしながら近づいてみる。
が、触手が邪魔である。
「ここはフォースフィールドで!」
触手の攻撃を弾き返した。
だが相手の技はまだ終わらなかった。
タコの口からビームをミズクレさんに向かって撃ちまくる。
「うわぁぁぁぁぁ!!!!」
フォースフィールドは砕けそのままビームの攻撃を受ける。
「「お父さん!!」」
「ミズクレさん!!」
ミラさんと2人の子供は声を上げた。
「くっ、この魔獣…俺達の動きを読んでる…。」
「結構冷静みたいっすね…。なかなか前にいけない…。」
「結構これピンチですね…。強い…。」
3人は集まって話し合う。
「あの硬い防御力をなんとか崩さないとだなぁ…。」
「どこも硬すぎてなかなか切りこめられません…。どうしましょうか…。」
「どうって言ってもなぁ…。」
「アナライズ完了!…ってこれ未確認の魔獣じゃないですか!!」
「未確認…これはお兄ちゃんに言わないといけませんね。」
「へぇ〜この星にはこんなロボットが今いるんだなぁ〜。ゼイド〜爪楊枝〜。」
「ねぇよ!!!つかお前どんなけ食うんだよ!!!」
「いいじゃんゼイドのおごりだし。」
「俺の金が…。」
「こんな状況でも明るいな…。あなた達は…。」
「って…なんでお前らいるんだよ!!!」
僕達が戦っている後ろにいるのは僕達quartet♪グループのレイ、ゼイド、ティレとクロさんの友人のエイセさんとネトさん、そしてミズクレさんの親友のクロクレさんがいる。
「あぁ、さっき電話でレイに頼んだんです。皆を呼んでくるようにって。」
「こいつ呼ぶのホントめんどくさかったぜ!!だってたこ焼き買ってくれたら行ってやってもいいって言うんだぜ?」
「ゼイドは本当に機械に弱いんだねww」
「笑うな!!お前も何とかしろ!!」
「出来ないよ。だって戦ってるんだもん。」
「クロクレ!!何でいるんだよ!!魔道医師団はどうしたんだよ!!」
「旅旅。ちょっとお前の戦いを見たくてな。」
「お前らなんで見に来てんだよ。今工場壊れてるんだぜ?誰かさんのせいで!」
「誰かって」
「俺らですか?」
「はい、そうですけど。で、工場の修復作業はどうしたんだよ!!!」
「それは従業員に任せたから大丈夫だ。」
「そんな自信で大丈夫か?あいつらすぐサボるぞ?」
「それなら大丈夫ですよ工場長。だって私とエイセさんでHR-Hを作ったんで。サボってる従業員にはレーザーかミサイルを撃つようにしましたから。」
「そんなもの作ってる暇あったら工場直せ!!!」
こう話している間にも魔獣の攻撃は止んでいなかった。
攻撃が大丈夫だったのはミラさんの魔法のおかげである。
「魔力が切れそうです…。そろそろミズクレさん、再開を…。」
「あリがとうございますミラさん!じゃあそろそろ行きましょう、2人とも!!」
「全くヒントが無かった…。」
「そうだ、2人ともちょっと時間稼いでくれませんか?俺魔法使うんで…。」
「分かりました。じゃあミズクレさん、俺らは遠距離で行きましょうか!」
「任せてください。行きましょう。」
僕とミズクレさんは別の方向へ銃弾を打ち込んだ。
もちろん効いていない。
「やっぱり硬いですね…。」
「特防も硬い…。なんだこれ…。」
その時、僕とミズクレさんのところに触手が伸びてきた。
魔獣は僕達を巻き付ける。
「く、苦しい…。」
「潰れそう…。力が入らない…。」
拘束はまだ続く。
「よし、準備完了…。いっけぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!」
魔獣に向かって魔法で作ったマグマの不死鳥が飛んでいく。
不死鳥はタコにあたったことにより、僕達の拘束は解かれた。
「大丈夫ですか?2人とも。」
「はい…。助かりました…。」
「死ぬかと思った…。」
「おぉ〜。クロさん魔法使いましたねぇ〜。」
「まぁたでに工場長してるわけじゃねぇからなぁ〜。」
「それにしてもまだピンピンしてるぜ…。」
「やっぱりかたいんですねぇ…。」
「そうだ、ミズクレ!!!あれだ!!フォットントーピドーだ!!」
「ん?フォットントーピドー?まぁ撃ってみるか。」
「あっ、たしかあれ貫通するんっすよね!!結構効くかもしれませんね!!」
ガチガチ…カチャン!!!
「準備OK、フォットントーピドー!!!」
銃口から銃口と同じ大きさくらいのミサイルが飛んだ。
遅いながらも確実に狙いを定めて飛んでいっている。
が、敵はフォットントーピドーの上から触手で打ち落とした。
「あっ、落とされた。」
「…。無理じゃないかクロクレ!!!」
「しらねぇよ!!提案提案。諦めなかったらなんでも出来るんだよ!!」
3人は触手で弾き飛ばされた。
「「「うわぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」」」
「あの触手さえ切れたら…。」
「私に出来ること無いかなぁ…。」
みどさんは辺りを探した。手に持っているのはスパナのみである。
「うぅ…。何も出来ない…。」
そんな時、声をかけたのはシロカさんである。
「みどさん、力を合わせれば出来るかもしれませんよ。」
「えっ?」
それからミラさん、シロカさん、みどさんの3人は相談をはじめた。
「これはピンチだ…。」
「次喰らったらやばいですね…。」
「くっ、どうせなら彼女にいい所見せたかったのに…。」
敵はとどめをさそうと近づいてくる。
その時、敵の頭にスパナが飛んで来た。
敵は振り向く。その隙にミラさんは僕達3人に回復魔法をしてくれた。
振り向いた敵はと言うとシロカさんが敵の時間のスピードを変えたのでスローモーションになっている。
「今がチャンスってことですよね。」
「さすが俺の妻です。ありがとうございますミラさん。」
「じゃあ力を行きますよ!!」
僕はサーベルに、ミズクレさんは水剣に、クロさんは鎌に力を溜めた。
「いっせーのーで!!!!!!」
3人の斬撃は触手を捕らえ3本の触手が弾き飛んだ。
「よし、やっと吹っ飛んだ!!!」
魔獣の時間が元に戻った。結構効いたようだ。
「よし、この調子で行きましょう!!!」
しかし敵も馬鹿ではなかった。
なんと3本の触手を観客席に伸ばし巻き付けて捕らえる。
「「「!?」」」
なんと敵が掴んだ人物はミラさんとみどさんとシロカさんだった。
「コイツ…みどさんを放せ!!!」
クロさんが敵に攻撃しようと跳んだ。
すると敵は人質を盾にしようとしたので鎌を急いでしまった。
そして残りの触手で吹っ飛ばす。
「くっ、卑怯者め…。」
「ミラさん!!!くっ、何かする手は無いのか…。」
「ん?あいつ、何処かへ行こうとしてる…。」
敵は少しずつ僕達から遠ざかる。
「海だ!!あいつ、海に3人を入れようとしてるんだ!!」
「「えぇ〜〜〜!!!!!!!」」
その考えは丁度当り海へ3人を掴んだまま入っていった。
「ちょ、ちょっと待てよ!!!!!」
後を追いかけるように僕も入る。が、息が続かなかった。
「ロウさん、あなたは泳げないでしょ!!」
「でも…でもシロカさんが!!あの人も泳げないのに!!!」
「くっ、あいつ…。ゆるさねぇ…!!」
「本当そうですよね…。ミラさんにあんなことを!!!」
「あいつ…確実に殺しましょ?」
「そうですね…。殺しましょうか。」
「俺たちを敵に回したからな。殺しちまいましょう。」
3人はそれぞれ覚醒をした。
「よし、これでOK…。」
「そういえばロウさん、泳げるんですか?」
「覚醒中は一応泳げるみたいです。」
「そうですか。じゃあ行きましょう!!」
3人は必死に敵を追いかける。
3人の泳ぎが速かったのか相手が遅かったのかすぐに追いついた。
追いつくとすぐに僕達はそれぞれの触手を一発で切り取った。
3人はそれぞれの女性を抱きとめると片手で敵に攻撃を加える。
陸に魔獣が浮上してきた。
3本の触手は切れ体力も結構消耗している。
次に上がって来たのは僕達3人である。
ずっと抱きとめていた彼女を安全なところに置くと魔獣を睨みつけた。
「お前の敗因を教えてやる…。」
「それは俺たちを敵に回したからだ!」
「お前は…お前は俺たちを怒らせた!!」
僕は羽を全て銃に入れて溜める。
ミズクレさんは2H2O砲を最大まで溜めている。
クロさんは2つになった鎌に力を溜めている。
「「「連携奥義…」」」
3人の声が重なった。
「「「三位、一体!!!!!!!!!」」」
僕の銃弾とミズクレさんのレーザー、クロさんの斬撃が混ざり合って一つの大きなビームになった。
ビームは相手の全てを捕らえ相手は宙を舞った。
そして空の彼方で大爆発を起こした。
「ミズクレさん。」
「ミラさん、寝て無くて大丈夫なんですか?」
「大丈夫ですよ。それよりとてもかっこよかったですよ。」
「良かったなミズクレ、ミラさんに褒められて。」
ミズクレさんは笑いを止められなかった。
「なににやけてんだよ。」
「にやけてねぇよ。」
「お父さんとってもかっこよかったよ!!ねっ、クベル。」
「うん、とってもかっこよかった!!」
「ミズクレさん、良かったですね。」
「いいなぁ〜。」
ミズクレさん達を眺めているとエイセさんが近づいてきた。
「お〜い、お前の大切なみどさんが起きたぞ〜。」
「その言い方やめろよ!!!!!ってマジで!!マジで起きたの?」
みどさんはとても疲れていたようだった。
「クロさん…私役に立てましたかね?」
「えぇ、あの時は助かりました。ゆっくり休んで下さい。」
「よかった…役に立てて…。」
というとみどさんは寝息を立てて眠った。
「さて、俺はどうしよう…。」
と思っていた時、ゼイドがやってきた。
「おっ、シロカさんも起きたのか?」
「いや、緊急事態だ、起きない!!」
「えっ!!!!」
急いで駆け込むと、そこには眠ったままのシロカさんがいた。
「シロカさん、大量の水を飲んでしまったみたいで…。息は普通にしてるんですが起きないんです…。」
「なんだって!?」
「店長、寝てるときでもリンゴを近くに置いたら目が覚めるのに今日は起きないんです…。やっぱりエネルギー切れでしょうか…。」
と、リンゴを持ちながらキャラウィさんは話している。
「こんな時俺はどうすればいいんだ…。」
「ミラさん、回復魔法をしたほうが!!」
「いえ、それは大丈夫です。」
「えっ?」
「クレラちゃん、クベル、白雪姫と眠り姫の同じところってどこか分かる?」
ミラさんは急に2人に問題を出していた。
「えっ、白雪姫と眠り姫の同じところ?う〜んとねぇ〜。」
「分かった!!『お姫様が王子様のキスで起きるところ。』」
「よく分かったわね。偉いわクレラちゃん。クベルもよく頑張った。」
「で、その問題の意味は?」
「これですよミズクレさん。」
「はっ!!!」
「えぇぇぇぇぇ〜!!!!!」
「ロウさん、みどさんが起きるんで少し静かにしてください。」
「そ、そう言われてもき、キスとか俺無理ですよ!!!!」
「お前はいつもしてるよな。」
「ちょ、クロクレ!!!」
ミズクレさんとミラさんは顔を赤くしていた。
「すればいいんじゃないでしょうか?」
「いや、クロさん、簡単なことじゃないですよ!!!クロさんだって今からみどさんにすることできますか?」
「そ、それは…。」
やはり無理らしい。
「で、でもしないと起きませんよ?」
右目で見てみるとシロカさんはまだ寝ている。
心臓の鼓動が早くなる。落ち着け俺…。
僕はそっと彼女のほうへ歩き出した。
寝ている彼女の横へ座った。
そしてそっと彼女の口に向けて自分の口を近づける。
距離はあと20pほど。
「ごほっ…ごほっ!!」
「ん?」
あと15cmほどの時、シロカさんが咳をした。
僕はさっと顔を遠ざけた。
シロカさんは目を開けた。
「よかった…よかったぁ…。起きたぁぁぁぁ…。」
いろんな意味で僕は安心した。
「あれ?皆さん、どうして集まってるんですか?」
「いやぁ、もう少しだったんだけどなぁ…。」
「ちょ、ミズクレさん!!!」
「ミズクレさん、詳しく説明してくれませんか?」
「そ、それは…ねぇ…。」
その感じで大体分かったらしい。
「まさか!!」
シロカさんが僕のほうを向く。
「いや、ミラさんやクロさんが言ったから!!!」
「私はただ問題出しただけです。」
「俺も答えただけです。」
「ちょ、急に手のひらを返さないで下さい!!!」
「信じられない…私が眠ってる隙にその…あれをするなんて…!!」
「いや、実際のところしてないからね!!!あと15cmくらいでやめたからね!!!」
「もう知りません!!!」
シロカさんは銃→杖→剣→ナイフの順番で攻撃を繰り出した。
もちろん避けることは出来なかった。
こうして僕達の短い戦いは幕を閉じた。
完!!!!