Report2・非公式武装集団(前)
1
「駄目だ・・はじかれた・・」
ウェルスはため息をついた。
「何やってんだ?」
ハヤブサが話をかけてきた。
「昨日拾ったメモリースティックなんだけど、パスワードが分からなくて・・」
「パスワード?拾ったんなら交番に届けろよ!」
ハヤブサはため息をつきながらタバコを吸った。
「だって・・。歌舞伎町は物騒でやなんだよ〜」
「寄り道してたらヤグザに絡まれるかもしれねえもん」
ウェルスはそう言い、パソコンを閉じた。
「臆病だな。お前は」
ハヤブサはそういいタバコを携帯灰皿に入れた。
2
「なあなあ!お願いだって!」
ウェルスはハヤブサの肩をゆさぶった。
「そんなこと言われても・・。お前何歳だと思ってんの!?」
ハヤブサは呆れた顔でウェルスをどかす。
「・・・。27」
ウェルスは顔を下げながら言う。
「いっつも歌舞伎町通って帰ってるじゃん」
ハヤブサは言う。
「だって〜!ヤグザにからまれるの嫌だモン!ようやくいつも通ってる道に慣れてきた頃なのに」
「は〜しょうがねえな。代わりになんか奢れよ」
ハヤブサはそう言い、ため息をついた。
「あ!先輩!私にもなんか奢ってください!」
花音が割り込んできた。
「うっ!花音もかよ・・」
ウェルスは呟いた。
3
「ステーキ♪ステーキ♪」
「オマエなあ・・」
ハヤブサは緊張感の無い花音に向かってため息をついた。
「だって護衛が終わったらステーキおごってくれるんですよ☆」
花音は子供みたいな口調でハヤブサに言う。
「ああ・・。もうすぐ給料日前なのに・・」
ハヤブサはそう呟きながらメモリースティックをポケットに入れた。
「あのメモリースティック・・。間違いありません」
「ああ。そうだな」
黒服の男はそう小声を交わし、3人に向かって行った。
「ちょっ!何をするの!?亅
花音は身を抑えようとする黒服の男にそう言い、反抗しようとする。
しかし黒服の男は麻酔ハンカチで3人は眠らされてしまった。