孤独
七つの塊
私はそれを手に入れないといけない。だがどうゆう物なのかはわからない。でも私は探している。
果てしなく長い道のりを歩みながらこの目で、足で、ずっとずっと探している。
永遠の世界、感情の世界、時の世界…一つの世界を踏み入れた時、七つの塊は必ず、私の前から消え去る。歩いても歩いても絶対に届かない、届かせてくれない。
それでも私は歩み続ける。どこまでも、どこまでも。
世界には「終わり」と言うものがある。私はその終わりも探している。終わりがあるのなら「始まり」もある。
でも私はその始まりを探してない。
始まりは人は生まれ、時の流れで死んでいく。同じことを繰り返し、繰り返し、繰り返して、その世界を閉ざす。世界を閉ざしたら何もかも消えてしまってなくなる。全部がなくなる、これは終わりと言う。
私が歩む世界は最後に終わりになる。終わりになった世界は蘇らない。これを繰り返して七つの塊を手に入れようとしてる。最後の世界にはきっと手に入る。全部手に入る。七つの塊は私から逃げられない。
私はとてつもないことをしていた。世界がなくなる。そうなると手に入れたいものは手に入っても、他のは全部なくなる。
私は数え切れないほどの世界を終わらせていた。あとのことも考えずにただひたすらに求めていただけ。
最後の世界はとても綺麗だった。いろんなものがあふれていて、私に「感情」というものを目覚めさせてくれた。悲しみ、苦しみ、喜び、驚きなどの感情が私の中にたくさんあった。感情のおかげで世界を楽しめた。…楽しみすぎた。
気がつくと世界はボロボロになっていた。私はただ立つことしかできなかった。
私は世界を楽しんでいくうちに何か大切なものを忘れてた。忘れちゃいけないのに忘れてしまった。
その何かを思い出したのはこの世界の
「終わり」の時だった。
あっという間だった。この世界を歩んだのはどんな世界の時よりも速かった。
何も無くなっていた。あんなにあふれていた世界が全部、全部無くなっていた。私と目の前にあるもの以外無くなっていた。
目の前に映っているのは逃げ場をなくした、哀れな七つの塊だった。
塊は泣いている。
塊は叫んでいる。
塊は怒っている。
塊は、うだ、で、いる。
自然と頬に伝う涙。動けない自分は泣くしかなかった。
泣いている。 泣いている。 泣いている。 泣いていない。 泣いていない。 泣いていない。
私は突然泣くのをやめて、七つの塊に手を伸ばした。
塊は酷く泣いていた。
願いは叶った。
私の願い。
彼を生き返らせること。
条件があった。
願いを叶える代わりに
私は
私は
失った。
自分自身を失った。
全部失った。
失った。