EP.3-6 Days To Lives 6
「だ、大丈夫ですか……?」
気が付くと、彼女は驚いたような顔で僕を見つめていた。
「あっ……すみません。ちょっと、驚いてしまって」
「いえ、大丈夫です。いきなり恋人なんて言ったら、
そりゃあ、驚いちゃいますよね」
心なしか、頬が少し赤くなっているように見えた。
赤みを帯びた彼女の顔は、まるで絵に描いたように、美しかった。
「……すみません」
「ん?…………そうか!……兄弟にしちゃえばいいんだ!」
彼女の緊迫した表情が、ぱっと明るくなった。
「兄弟?」
僕がそう言い返した瞬間、彼女は目を輝かせ、
僕の手をひしとつかんで、こう言った。
「そう!兄弟です!縁さん、私のお兄ちゃんになってください!!」
「え!?」
あまりにも唐突な願い出だった。