第22話 闇の組織、デストロイ
エリーを探しているその頃…
「あら、エイレーネを探しに行ったんじゃないの?」
女性がブレインに声をかける。
「ああ。実は…エイレーネのことを知っている人物を見つけたのだ…」
「もしかして、あの剣士…?」
「ああ」
「でも、本当に強いのかしら…」
「お前はあいつに姿を変えさせただけだから何も分からねぇだろ」
2人の会話を聞いてた誰かがこっちにやって来た。
「シアエガ、あなたいつから聞いていたのかしら?」
「へっ、お前達の話全部さ。」
「お前、今までどこに行ってたのだ?」
「なーに、俺はあいつらの後ろにいたたけだ」
「あなた、そういうのだけは得意よね」
女性はシアエガのことをバカにしていた。シアエガはそんな彼女が気に食わなかった。
「そう言うお前は何かあったのかよ!」
「少し、静かにしたまえ…。お前らシヴァ様の機嫌を悪くさせる気か!」
短気な男がいきなり冷静に答え、いきなりキレるような言い方をしていた。
「あら、ヤヌスいつからそこへいたのかしら?」
「分かるだろそれくらい! それより、シヴァ様が呼ばれております。来てくれますか?」
女性は「ええ」と素直に答え、ヤヌスの後ろをついていく。ついでに、シアエガとブレインも女性の後を追って行った。
*
「シヴァ様。イシスを連れて来ました…」
「ご苦労だった」
シヴァは後ろを振り返った。
「ヤヌスお前は下がっていろ」
「はっ………」
ヤヌスは静かに数歩下がった。
「シヴァ様。私に何かご用ですか?」
「イシス、これは我からの頼みだ…聞いてくれるか?」
「それは一体…?」
「実はあいつらが『ラグナロクの能力を持つ奴が現れた』と言うのだ」
イシスはピクッと耳に入ったことをふと思い出す。
「シアエガやブレインが言っていたあの剣士ですか?」
「そうだ。噂によると奴は選ばれし者に導かれているらしい。」
イシスがいきなりキレかけそうになった。
「冗談じゃないわ! 私たちよりあの剣士が選ばれし者ですって! 必ず仕留めて……」
「落ち着きたまえ…」
「はっ…! し、失礼しました…」
イシスはペコペコと頭を下げて謝る。
「それで…私は、どうすればいいんですか?」
「そなたは、剣士の息の根を止めてきてくれ。万が一奴がいたら厄介だからな」
「分かりました」
「あの2人にはエイレーネの探索をして貰う」
「そう言うことだったら…」ボソッ
「早く探すとしよう…」ボソホソ
2人は姿を消してエイレーネの探索を再開する。
「分かりました…。全ては、シヴァ様の…仰せのままに………」
イシスは姿を消した。
「エイレーネ…必ずお前を捕まえ、そしてこの世界の破壊(デリート)を実行する……!!」