あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: テーリィ/投稿日時: 2017/09/10(日) 11:23:13
投稿者コメント:
前回ヲマケのスペシャルページを忘れてたことに今更気付いた。思いつき次第追加する...かも。10月までに完結するかなぁ...(遠い目)
第20話:めとろぽりすまうんと
《BGM:『毛糸』みらいシティ》
数多の高層ビルが建設された、ゆきやまちほー。人影こそ多くは見えないが、そこは既に宇宙都市、「メトロポリスマウント」となっていたのだ。
「ギンギツネたち、どこにいるんだろう?」
「たぶん、建物の調査とかしているんじゃないかな」
「あいつらに見つからないよう、こっそりさがそう!」

「あら、サーバルにかばん!どうしてここに?」
ギンギツネはカンパニーの下で働きながら、相手の動きを調べているようだった。
「わたしたち、あの悪いカンパニーをやっつけるために旅をしてるんだよ!」
「ICキューブっていう、こういうのがここの辺りの駐屯地にあるそうなんです。何か知りませんか?」
「あぁ、あそこね。ちょっと遠いけど、力になるなら手伝うわ。待ってて、今キタキツネを連れてくるから」
しばらくして、ギンギツネはキタキツネの手を引いて連れてきた。
「やだ、ボクあそこでダラダラしてたい...」
「もう、そんな事言わないでかばんたちを助けないと」
不平を言っていたキタキツネだったが――ロボボに乗ったピンク玉を見た瞬間、目を丸くした。
「星の...カービィ!!」
「ええっ!?キタキツネもカービィのこと知ってるの!?」
「ゲームのキャラだよ!ほんとにいたなんて!」
「本当にいる訳ないでしょ?どうせコスプレか何かじゃない?」
「ねぇコピー能力みせて!あとワープスターも!ワドルディは?来てないの?」あきれ顔のギンギツネを尻目に、キタキツネはカービィを質問攻めにする。
「んー、ふしぎな穴にはいって、気づいたらパークにいたんだ。だからワープスターもワドルディも、ここにはいないよ。それにぼく、みんなを助けるとき以外はあんまりコピーはつかわないんだ」
そんなこと言わず見せて!一生のおねがい――と言おうとしたキタキツネだったが、何か不穏なことに気付いた。
「...カンパニーの車が近づいてる...8台くらい」
「キタキツネ!いくら見たいからって、そんなでたらめ...」
確かにそれはエンジン音であった。しかもこちらに近づいている。
「皆さん!早く...ロボボに乗り込んで下さいっ!」

《BGM:アウトロウドライバー》
『第T級要注意ゲンジュウ民発見!速やかに捕らえて駆除せよ!』ワーカーズは社用車から、メガホンで呼び掛ける。わき道から、さらにたくさんの車が追いかけてきた。
「カービィ、って言ったかしら?この先のわき道にも、あいつらは待ち伏せているはず。だから...今は逃げ切ることだけを考えて」
「おっけー!」
カービィはロボボのハンドルを巧みに捌き、時にはスプリングホッパーで敵の車を飛び越えながら、大通りを爆走していく。
「目が回るぅ〜っ...」
「サーバルちゃん、踏ん張って!」
しかし敵の数は増える一方だ。より激しい弾幕が張られ、やられるのも時間の問題だろう。
その時だった。
「カービィ!運転かわって!」
キタキツネが名乗り出たのだ。
「キタキツネ!?何考えているの!?」「だめだよ!バスも運転するの難しいのに、ロボボなんて...」
しかし、カービィは、
「...いいよ!おねがい!」
即座にコックピットから飛び上がり、トレーラーに跳び移った。

「...何をする気だ?」
ワーカーズたちは、ランチャーの弾をリロードしながら、ロボボの様子を慎重に観察する。
不意に、ピンクのストレンジャーは黄色い羽根がついた紫色の帽子を被り、屋根に登ってきた。
「やった!あれぞ...スナイパーカービィだ!」
「キタキツネ!よそ見しないで!」
カービィは弓矢を絞り、敵の車に狙いを定める。
「“スナイプショット”!」
青白い矢が数発、空中を飛んでいく。しかしワーカーズも、負けじとハンドルを切ってそれらをかわした。
「これでどうだ!“スカイショットシャワー”!!」
今度は矢が車の頭上を掠めた――かと思うと、無数の光の矢が分かれ、ほとんどの車のエンジンを貫いた。
「ぐあぁっ!」
あと1台。カービィは相手の動きを見定め、弓をより強く引く。
相手がロケット弾を放ったのと、カービィが矢を放ったのと同時だった。
「“マジカ・スターアロー”っ!!」
彗星のように光を放つ矢は、ロケット弾を貫通し、カンパニーの車を破壊した。
「やった!」

「ここが、駐屯地?」
かつてパークには無かった、ものものしい施設。どうやら制御塔の上に、ICキューブが安置されているようだ。
「あの乗り物をスキャンして、そらからとりにいこう!」カービィは滑走路のジェット機を指した。
「カービィ...ここでお別れ?」
キタキツネがぐずりはじめる。
「仕方ないでしょ?じゃないと、平和なパークが戻ってこないのよ」
カービィは少し考えたようだったが、スナイパーの帽子を外し、代わりに折り畳み傘を吸い込んだ。
そして、
「これ...あげるよ!」現れた紅白のパラソルを、彼女に差し出した。
「カービィの、パラソル?いいの...?」「ちょっと、カービィ!」
カービィは何も言わず、頷く。
「...ありがとう」

ロボボはホイールモードを解除し、フェンスを壊して滑走路に踏み込んだ。
「せいのうスキャン!」
ジェット機にスキャンをかけると、ロボボのボディは一回り大きくなり、脚が収納され、大きな翼とジェットエンジンを装備した姿になった。
「わぁ、すごいすごい!」
「さあ、みんなのって!」
《BGM:空色フライト》
かばんとサーバルは後ろの席に座り、カービィが操作パネルを押すと、ロボボはふわりと飛び上がった。
「わあぁ、燃えてる!」
「大丈夫だよ、これで飛んでるんだから」
ロボボは高度を少しずつあげ、制御塔に近づく。
「えーいっ!」
サーバルは目一杯手を伸ばし、塔のてっぺんにあるキューブをとった。
「カービィさん!追っ手に気を付けて下さい!」
しかし、追っ手は1機も来なかった。振り返るとそこには、塔の中から手を振るギンギツネの姿が。
(みんな、こっちこそありがとう!)
カービィたちはジェットエンジン全開で、アクシスアークスの方角へと向かった。

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