第21話 覚醒 後編
(うっ……お兄…ちゃん……まさか…………!)
ブワッ!!
「っ! ナ、何ダコノ気ハ………!!」
『まさか、こんなチカラを隠していたとはね………』
今の彼はまるでダークメタナイトだった……。
「ダークメタナイトを解放しろ……さもないと私は…全力で斬る」
「フッ、面白イ……ヤレルモンナラ…ヤッテミロ!!!」
2人のナイトのギャラクシアが輝きを増し、それがお互い襲いかかってくる……!!
「ハアアアアァァァァッ!!!!!」
「はああああぁぁぁぁっ!!!!!」
チュドオオオォォォン!!!!
「ハァ…ハァッ……ハァ…」
「はぁ…はぁっ……はぁ…」
お互いの技が相殺し、ほぼ互角の戦いで長期戦になっていた。お互いの体力はなくなりかけ、油断しかねない…。
「コウナッタラ…。【ミラーズディビジョン】!」
ダメタは分身をし一気に片付けようとする。
「覚悟!【ミラーズエッジ】!」
「………………」
「遅い!」
メタナイトは軽々とかわして行き、そしてダメタに近づいてきた。
「なっ……!?」
(なんダ………コノ…デジャヴは……)
メタナイトは容赦なく斬りつけようとする。
「思い知れ!」
メタナイトがマントで彼を覆うと、次第に暗くなっていた。
「……!」キッ
「【ギャラクシアダークネス】!」
ザクッ!
「ぐッ…グあアああアぁァァぁぁぁァ!!!!」
「…手応えはあった。」
こうして、彼はいつもの姿に戻った。それと同時にブレインがダメタのとこから離れ解放された。
「フッ…なかなかやるな…だが、私には絶対に勝てない…覚えておくがいい……」
ブレインは闇のように消えていった。
「くっ…」
「無理に動くな…傷口が開くぞ」
「フッ…使いこなせてくれるようになったのか……」
メタナイトは彼の発言で「そうだったな」と静かに微笑んだ。敵として戦ってたのがまるで嘘だった。
「それより、そなたはこれからどうするのだ?」
「私は、お前と共に行動をする」
(それってつまり…)
「ここに…いる…駄目か……!!」
ダメタが地味に顔を赤くしていたのはメタには分かりクスクス笑っていた。
「ボクは別にいいよー。お兄ちゃんもいいでしょ?」
「あ、ああ…」
メタナイトは少し、視線を外していた。
「それより、シャドーが心配しているはず…早く出よう……」
*
「メタナイト…苦しんでたり…操られてたり……大丈夫かな…」
「うっ……」
「あ、起きた!」
「シャドーか…すまない、いきなり倒れてしまって……」
シャドーは首を振り「ボクの方こそごめん」と頭を軽く下げて謝った。
「キミを苦しめるとは思ってなかったんだよ…本当にごめん!」
「気にするな」
「えっ」
「むしろ、私はそなたに感謝している…」
シャドーがいきなりボロボロと涙が溢れ出ていた。
「ごめんね! ボクのせいで!!」
「だから、許しているだろう; それに、そなたのおかげで私は覚醒したのだ…」
「え?」
「ボクとお兄ちゃんは1つになったんだ!」
シャドーはいきなり発狂セットを提供されたときのように驚き始めた。
「ど、どうなってんの!?」
「実は…かくかくしかしかで……」
「…ということだ」
「そうなんだ。ボクを操ったのがシアエガでキミが操られてたのはブレインなんだね」
「ああ。散々だったが結果オーライだった」
シャドーは「そうだね」と苦笑していた。
「それはそうとしてエリーが見当たらないんだけど…」
「みたいだな。あそこへ戻るとするか」
「だね」
2人はその場を去って行く…。2人のことを監視していた人がいたということは彼らには知らなかった。