あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: ヒガシノ/投稿日時: 2024/03/02(土) 22:36:40
投稿者コメント:
メタナイトもシニアも、キャラ合ってるのか全然わかんないよーーって感じですが、わかんないなりに頑張って想像して書きました。
バンダナかわいい
複製体
カービィとバンダナワドルディは急いで走りながらお城に向かっていた。すると、不意に後ろから声をかけられた。
「一体何があったんだ、そんなに急いで」
「…!メタナイトさん!」
振り返ると、そこに立っていたのは仮面の騎士、メタナイト。甘党ということしかわからない、色々とナゾに包まれた存在だ。
「えーとね、いまからおしろにいってもうひとりのぼくにあいにいくところなんだけど、めたないともいっしょにくる?」
「…待て。一緒に行くのは構わないが、もう1人のぼく…、とはなんだ?」
急いでいるので、三人で走りながら話すことにした。
「えーと、わかんないんです!だから会いにいって確かめようって…そういうわけです!」
「…シャドーカービィとは違うのか?」
とメタナイトが尋ねた。
「たぶん、違います!ボクが昨日見た限り、見た目は一緒でした!それに、もしシャドーカービィだったとしても、ボクたちのことを知らなかった説明がつきませんし…」
「…そうか…。ならば、全く見当がつかない、未知の存在というわけか」
「みちってなあに?」
しばらくそんな会話をしていると、城に到着した。
「カービィが眠ってるはずの部屋はこちらです!」
バンダナワドルディが案内してくれた部屋のドアを開けると、ベッドに横たわっている桃色の球体が見えた。
「わ!ほんとだ、ぼくそっくり!」
カービィは未知の桃色に駆け寄って、瓜二つの寝顔を覗き込んだ。
「カービィ、あまり近づくと危ないんじゃないか?ソレは今に何をしてくるかわからな……、」
メタナイトがそう言おうとして、途中で口をつぐんだ。“ソレ”が起き上がったからだ。
そして、ゆっくり目を開けた。
「カービィ!下がれ!!」
危険を感じたメタナイトがそう叫んだ瞬間、ソレは口を開いた。
「…ふぁあ……よく寝ました…」
拍子抜けして、メタナイトの言うとおりに下がろうとしたカービィが途中でずっこけた。
「あら、アナタ、大丈夫ですか?」
そう言って、ソレはこけたカービィに向かって、手を差し伸べた。
「メタナイトさん、彼、そこまでキケンじゃないみたいですけど…」
おずおずとバンダナワドルディが言うと、
「…確かに、そう見えるな。どうやら思い違いをしていたようだ」
とメタナイトが頷いた。
すると、もはやカービィと見分けがつかない彼が言った。
「あ、バンダナさん、おはようございます。その、隣のかたは?」
「えっと…おはよ…!隣のひとはメタナイトさんだよ。」
「…よろしく。…ところで、君の名前は?」
とメタナイトが言った。
「ボク…?ボクはカービィです」
「カービィは、ぼくだよ」
カービィが不満げにほおを膨らませた。
「見た目も同じで、名前までも…?偶然にしても、そんなことあり得るのか…?」
「まるで双子みたいですね!」
「……双子というよりは…、クローンみたいだ」
「くりーん?」
「クローンだ。同一の遺伝子を持つ個体…、つまり、複製体だ」
「???」
カービィは何もわからなかったようで、目をぐるぐる回して頭を抱えている。バンダナワドルディも、難しい顔をして考え込んでいるが、理解に苦しんでいるようだ。
「…簡単に言うと、人工的につくられたそっくりさんということだ」
その2人の様子を見て、メタナイトがそう付け加えた。すると2人はなんとなくわかった、という顔をしたので、メタナイトはため息をついた。
「ボクは…確かに、クローンかもしれません。どうやら混乱を招いてしまったようで、申し訳ないです」
「いやいや、いいんだよ、別に謝らなくても…!」
とバンダナワドルディ。
「でも…」
「わるさしないなら、みんなともだちだから、だいじょーぶ!」
「…カービィさん…」
そうしてしばらくの静寂が流れた。
沈黙を破ったのはメタナイトだった。
「…ところで、バンダナ君、仕事は大丈夫なのか?」
「あ!そろそろボク、大王さまの朝ごはんの準備しないとでした!!あわわわ、遅れちゃう!」
そう言って慌てた様子で手足をばたばたさせて部屋から出ていった。
「…仕事…ですか…。そういえば、ボクにもなにか、仕事というか、任務があって、ここにきたような…?」
「わすれちゃったの?」
「ボク、記憶力悪くて…、忘れちゃいました」
「そこはカービィと一緒なんだな」
と、メタナイトがボソリ、呟いた。
「ちょっと!めたないと、いまなにかいったでしょ!」
「いいや。聞き間違えじゃないか?」
「ふーん…。まぁいいや、ぼくたちもあさごはんたべないと!さんにんでしょくどういこ!」
「…朝食の時間か…。では私はこれで…」
「あれ、めたないとはおしろのしょくどうでたべないの?」
「ああ。別の所で食べることにする」
「ぷりんあるよ?」
「……遠慮しておく」
「メタナイトさんはプリンが好きなのですか?」
とカービィ?が聞くと、
「うん!あまいものならなんでもすきだよ!ね、めた…」
とカービィが元気よく答えようとしたら、いつのまにかメタナイトはどこかに飛び去ってしまっていた。
「あれ…?まあいいや、ふたりでいこ!」
「じゃあ、ご一緒させていただきます」
瓜二つな桃球2人は、食堂に向かって歩き出した。通りすがるお城のワドルディやワドルドゥたちに、物珍しそうにじろじろ見られたけど、2人はあまり気にしていない様子。
「ねえ、きみはどこからきたの?」
道中でカービィが尋ねた。
「ボクは…………えっと…?」
「おぼえてない?」
「…そのようです」
「そうなんだ!ぼくといっしょだね!
「え…?」
「ぼくも、どこからきたかおぼえてないんだ」
「…そうなんですね」
しばらく歩いて、食堂に着くと、2人はは山盛り注文した。
「やっぱりきみもくいしんぼうなんだね!」
「いつもこれくらい食べないと元気が出ないので」
「あははっ!おんなじ!」

2人で談笑しながら山盛りのごはんを無限の胃袋に納めていると、不意に上から声が降ってきた。
「おや、これは珍しいなぁ…」
「?」
一斉に上を見ると、2人の後ろに立っている人物が見えた。お城の道化師、ポピーブロスシニアだ。シニアはカービィより背が高いので、見上げないと顔が見えない。
「カービィ、君にもきょうだいがいたなんて知らなかったよ」
シニアはそう茶化して言った。シニアには弟のジュニアがいるのだ。
「きょうだいじゃないよ、くりーん?だよ!」
「クローン、ですよ。カービィさん」
もう1人のカービィが訂正した。
「クローン?へ〜…、まあどちらにせよ、この食堂が潰れるまで秒読み、ってとこかな」
そう言いながらシニアがカービィたちの向かいに座った。
「随分と礼儀正しいんだね、クローンのほうは」
「…光栄です」
「ぼくだってれいぎただしくできるよ!」
「ふーん?やってみせてよ」
「えっ、ええと、おはようございますです、ほんじつは…、おひさまがら?もよく…?」
「あはははっ!できてないじゃないか!!」
シニアが声を上げて笑うたびに、カービィのほっぺがみるみるうちに膨らんだ。
「…にしても、クローンのほうもカービィって呼ぶんじゃややこしいなぁ」
「たしかに」
「名前を決めないかい?僕が考えてあげるよ!」
「ボクの…名前を…?」
「そうさ。ややこしいからね!………う〜ん、“イルビィ”はどうかな?」
「良いと思いますが…、どうして…?」
「KirbyからKを抜いたんだ。単純だけど、これで区別できるでしょ?」
「しにあ、あたまいー!」
「ふふん。それほどでも…あるかな?」
「なるほど…、ボクの名前は…イルビィ…。」
「気に入った?」
「気に入りました…すごく」
「そりゃ、よかった!じゃ、僕は食べ終わったんでこれで」
「え!?いつのまに!?」
「シニアさん、さすがにパン一つでは足りないのでは…」
「いーのいーの、僕は少食なんだよ。君たちとは違ってね!」
桃球2人は顔を見合わせて、心底不思議そうな顔をした。
「ぱんひとつとか、ぜったいむりだよね」
「そのぶん昼食を多く摂っているんですよ、きっと」
シニアが行ってしまってから、2人でひそひそ話していると、バンダナが料理ののったトレーを持ってこちらに歩いてくるのが見えた。
「あ!ばんだな〜!」
「バンダナさん」
「カービィ!…とカービィ!食堂に来てたんだね!僕も今から食べるとこ…!」
「じゃあ一緒に食べましょう」
「うん!」
「あのねばんだな、くろーんのなまえ、しにあがつけてくれたんだよ」
「えっ!シニアさんが?どんな名前?」
「“イルビィ”といいます」
「へー!なんか、かっこいいね!!改めてよろしく、イルビィ!」
「よろしく」

ーーボクは、イルビィ。

続く

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