マルクごっことは…
〜前回の続きです〜
あかねはマルクごっこのことを考えながら帰りました。
いっしょに帰る友達のみずなを置いて。
次の日。あかねが学校に着くと即、ともに話しかけました。
あかねが聞きました。「マルクごっこって、何?」
ともが答えました。「サ!を口癖にして喋る遊びだよ、地味だけどね。」
でもそれはあかねには謎におもしろそうに思えたのでした。
そして、あかねは休み時間にマルクごっこで遊ぶようになったのでした。
そんなことがきっかけで、あかねはマルクのファンになっていました。もちろん、SDXも欲しいと思っていたのでした。
ある日、ともが言いました。
「あかねちゃんの家に遊びに行きたいな。」
あかねは答えました。
「いいけど、ゲーム、前も言ったけど…ないよ?」
「なら探すのサ!」
ともが言いました。
いかにもマルクっぽい感じ。
あかねは、仕方なく、
「いいよ。今度の土曜日ね。」
と答えました。
授業中も、給食中も、なにをしていても、ともがあかねの家で楽しんでくれるかについて考えていました。ゲームを探すなんてことは親にも言っていませんでした。
やがて、その日はやって来ました。
あかねはともが来るのを少し楽しみにしていました。
その楽しみ以外は全部心配だけど。
でも、約束の時間を一時間過ぎても、ともはやって来ません。あかねは諦めかけていました。あかねが、
「ともくん、時間守ってないじゃないか。」そうつぶやくと、
「おーい!」ともの声が聞こえました。あかねは答えました。
「あ!ともくーん!」
「時間を過ぎてごめん!約束通りゲームを探そう!」
あかねは、
「あ、うん…」
少しイライラしながら答えました。
まず、かび臭い倉庫から探し始めることにしました。
いきなりともが言いました。
「あ、スーパーファミコンだ!」あかねも言いました。
「え!?マジ!?」見つかったの!?
あかねが希望を持ちました。
ただし、見つかったのはスーパーファミコン本体とコントローラーだけ。スーパーファミコン必須のカセットが見つかりません。
あかねが言いました。
「これじゃ、…遊べない…」
ともが言いました。悲しそうに。
「…うん…カセットがなきゃね…」
それでもあかねは諦めませんでした。
「あ、待って…」ともが言いました。
カセットがなかった悔しい気持ちで、ともにも口を聞かず、あかねはゲーム好きのみずなの家に向かって、夕日の中、走り出しました。
みずながゲーム好きなので、カセットを持っていると思ったからでした。
続きます…