1限目『いきなり登場!ヤンキー集団“堕悪魔汰”』
ここは、すっごく平和な国“プププランド”の一角にある学園“プププ学園”。
今日も生徒達は授業を受け、先生は業務に励んでいる。そしてまた、平和な時が流れる。
だけど、今日は何かが違う…?
「聞いたか?うちの学校の生徒がまた入院したんだって」
「え!?怖いなぁ……」
「聞くにそいつは結構遠くの町にある廃れた学校の『暗雲学園』ってとこの奴らしいぜ」
不穏な会話が流れている。
「俺、知ってるぜ!そこにいるヤンキー集団の事…『堕悪魔汰』(ダークマター)って言うらしいぜ」
「えぇぇぇ!?マジかよ!!ここでは結構有名だぞ!!?まさか、あの学校だったなんて…」
「怖いね…」
そんな話をしている中、やってきたのは…
「えーっ!?何なに!?たくあん!?」
1年星組のカービィ。とても呑気で食いしん坊な生徒。
「たくあんじゃないよ、カービィ。」
「えー、たくあんじゃないんだ…」
カービィの言葉に突っ込むように会話に入ったのは、ワドルディ。カービィの友達で、ちょっと気弱。
「僕たちも気をつけなくちゃね」
「知らない学校の人達とはあんまり関わらない方がいいかな…」
「ボク達も気を付けなくちゃね、カービィ…」
「?なんの事…?」
「話…聞いてなかったんだ……」
下校のチャイムが鳴り響き、生徒達は帰路につく。
カービィの家は少し遠く、ちょっと人通りの少ない道を行かなければならない。
「早く家に帰って、昨日買ってきたプリン食べなきゃな〜♪」
カービィは、おやつの事で頭がいっぱいな様子。
すると、上の空だったカービィは知らない人とぶつかってしまった。
「うわっ!!ごめんね〜…」
「…………」
「…ど、どうしたの?まだ、怒ってる…?……ところで、キミは誰?」
カービィがぶつかった人は、黒い星のような形の体をしており、鮮やかなピンク色の大きい瞳が特徴的だった。
「…お前、プププ学園の生徒だな…?」
「え…?そうだけど……?」
「聞いて驚くな。オレは暗雲学園のヤンキー集団“堕悪魔汰”に所属する、ダークゼロだ!!」
「だ、だあく、またー…?」
何とその人は堕悪魔汰の一員だった。あの時、話を聞いていなかったカービィは戸惑いを見せる。
「命が惜しかったら、5000ポイントスターよこせ!!さもなくば…」
「そ、そんなお金持ってないよ〜!!」
どうやらダークゼロはカツアゲしたい様子。カービィは慌てふためく。
ダークゼロはそんなカービィを目にして、言った。
「そうかぁ、払えない、という訳かぁ。…ならば、この手でボッコボコにしてやる!!」
ダークゼロはカービィに突進してきた。このままだと、カービィは……
「う、うわあぁぁぁぁぁぁ!!!」
カービィは間一髪でダークゼロを避けた。勢いをつけすぎたダークゼロは「ぅおえっぷ!!!!!!」という情けない声を上げて一人で勝手にのびてしまった。
「だ、大丈夫__」
「くぅぅ…!!つ、次はぜぇぇったい、負けないからなぁ!!クッソ〜〜……」
ダークゼロは、そのまま逃げていった。
「すげーカービィ!!堕悪魔汰の一人を倒したって!!?」
「カービィはこの学校のヒーローだよ!!」
「え、えぇ……??」
次の日、みんなはカービィを取り囲んで口々にこう言った。
…本当は、勝手にやられていっただけだけど。
「カービィすごいね〜!!まさかあの、堕悪魔汰の一人をやっつけちゃうなんて!!」
「い、いやぁ…あの……」
カービィは何も言えぬまま、一日を過ごしたのだった。
一方、その頃…
「バカッッッッ!!勝手なことするなと言っただろ!!!!」
「す、すいません……」
「お前はただでさえ喧嘩が弱いってのに…だから、雑用係にしたんだよ!!」
「はい……ごめんなさい……」
「全く…最弱ヒトデマンが……」
堕悪魔汰のアジトらしき所で、ダークゼロは叱られていた。
「どうやら、あのピンク玉のガキは相当な強者らしいぞ」
「フン、くだらん…ダークゼロが、勝手にやられただけだ。」
「でも、もしかすると…」
「うるさい。俺達がここのテッペンなんだ。絶対に手出しはさせん…手出しするのなら、殺す気で行く」
続く…?