2.夢とひかれあい
彼女は僕も知らない別の次元から来たようで、僕は色々と話してあげた。彼女はどっかの道化師のように鬱陶しくはなく、僕のちょうどいい話し相手として成立した。彼女はどんな攻撃を受けても傷一つ受けない、本当だと言ったから、ストレス発散程度に銃を何発かぶちかましてやった。すると本当に傷一つ受けないどころか、銃を取り込み、免疫化した。驚いたよ。君本当に生きてるの?って聞いたら、
「生きてないよ、私には心臓が無いんだもの。」
彼女の生態は、今日の魔法・科学技術でも解き明かせないだろう。そんなこんなで楽しいひと時を僕らは過ごした。
ある時、僕は昔此処で栄えていた文明と過酷な環境の土地について話してあげた。
「ハルカンドラが生んだ魔法と科学の産物たちは本当に凄いんダヨ。ボクはネェ、マスタークラウンってのが欲しいンダ。それサエ手に入れれば、ものスゴイパワーが得られるんダッテ!宇宙を支配デキるくらイ!スゴいデショ?」
すると、彼女は暗い顔をして、
「あなたにはそんな夢があるのね。良いわね。私は夢なんか、諦めたのよ。」
それ以上彼女に何か聞くのはやめたが、自分の話をしたときは僕は誇らしげだった。それから、僕はローアの発掘に向かったり、ランディアについて調べたり、自分の夢のため行動し始めたから、しばらく彼女の姿を見ることはなかったが...別れ際に、彼女がボソッと呟いた言葉。今なら何と言っていたのか分かる。
「『...宇宙を支配...』」