ノート2一人じゃない。
「はぁ、…は、あぁっ………!」
あれからずっと走り続けていた。足がどうしようもない程に痛む。
どうやら、森に来てた様だ。
すると、近くにあった、茂みがガサッ、といい、動めいている。熊か?そう思った瞬間、
「助けてっ……!!」
と、声をあげ、僕に飛び付いてきた者がいる。
「ぅわっ」
自分でも情けない声がでる。
「あっ、ご、ごめんなさい!」
と、謝ってきた子供は、僕と同じくらいの年齢に見える女の子だった。
「は……?」
その子は、長い髪を2つにわけ、左右でむすび、目は左が白く濁っていた。
「あなた、お城の人じゃないよね!?」
「お、お城の人ォ!?違うよ!」
と言うと、その子は笑い、良かった、と言う。
「あのね、私はキャメル!家から逃げてきたの!」
「えっとー…家出みたいなの?」
その子キャメルは、元気よく、頷いた。そして、僕に問いかける。
「あなた、何て名前なの?」
ズキン。僕に……
「名前なんか、ないんだ」
「…えっ……ごめんね、変な事聞いちゃって。」
キャメルは、申し訳なさそうに謝る。
「大丈夫だよ」
「うん!名前ないんでしょ?私がつけてあげるよ!えっとねーレイってどう!?」
「レイ……!!」
初めての名前だ。
「うん、ありがt」
「!!レイくん、隠れて!」
そういい、キャメルは僕と一緒に茂みに隠れた。
「どーかしたの?」
「シッ!お城の人だ…!!」
『キャメル様はいたか?』
『いえ、見当たりません』
『くッ、この辺りを全て探せ!』
『はっ!』
どうすればいいか、分からない。でも、子供だからと言い訳できるはずがない。
「メル!こっち!」
「う、うん!…?メルって何……?」