カービィとの生活の幕開け
…また何か変な夢を見ているのかなぁ?
カービィのぬいぐるみは持っているが、実際にいる訳が無い。ゲームのキャラだし…
私は頬が痛くなるまで伸ばした。
やっぱり、目の前には、カービィがすやすやと眠っていた。
「んっ…ここ…が…ニンゲンカイ?」
人間界…?この地球のことなのだろうか。
カービィが目を覚ました。
「ボクはカービィ…って、知っているよね。キミ、確かボクが好きって…」
目を覚ましたばかりのカービィが、語りかけた。
私は「うん。カービィのことが好きだよ!」と言った。
「…やっぱり。ボクが人形の頃、凄く『大好きだよ!』って言ってたもん。ところで、キミは?」
「私は『桃夢 夏実』。」
「なつみ…ちゃん?よろしく!」
「……………。」
やっぱり何か変な夢でも見ているのかなぁ?
カービィが私と話しているし、そもそも私のところに居るのも、この世界に居ること時点で可笑しい。
<ロックマンならまだしも…>と思っていたが、どちらもゲームのキャラ。ゲームのキャラがこの世界に居るってちょっとあり得ない。
「…どうしたの?」
「あ、ううん。何でもないよ。」
カービィに声をかけられ、一瞬焦ったが、なんとなく答えた。
「ボクは元々、なつみちゃんの人形だから…今日からここで暮らすんだけどいいかな?」
…え?
ここで、暮らす?
いや、確かにこのカービィは元はと言えばカービィぬいぐるみだけど…
やっぱり、ぬいぐるみの時に慣れたから…言ってるのかな?
「う、うん。いいよ」
なんとなく答えた。
「それなら、今日からよろしくね!」
こうして、私は今日から喋って動くカービィのぬいぐるみとの生活が始まるのだったーーー