予告電話 着信中
俺の名前は、ナックルジョー。
警察だ。そして、私は人に恨みを買うような事はして来なかったと思っている。
…復讐。俺は今、人生を思い返してる。
思いつくと言えば、私が捕まえた犯罪者達だ。しかし、彼らは今、別の国の刑務所に入所しているはずだ。誰だ…俺に復讐する奴は…
プルルルル… 電話の音だ。
ナックルジョー「…もしもし」
謎の声「10分後に、君が、初めて犯人を捕まえた…いや、捕まえるのに協力したというべきかな。そこに爆弾を仕掛けた。さあ、阻止してみろ。後、傍にあるモニターは常に持っておけ。役に立つ時が来るだろう」
電話は切れた。
とりあえず、モニターを持ち、考えた。
俺が初めて犯人を捕まえるのに協力した…
1つ、思い当たる事がある。
それは、私が警察官になったばかりの頃だった時に、怪盗が色んな宝を盗むと言う事件が起こった。
しかし、警察は、この事を公開しなかった。
平和を乱さないためと言う理由があるが、私はその判断が正しかったとは思ってはいない。
そう思っている時、私は複数の警察官と、共に怪盗を見つけ追いかける事が出来た。
私は怪盗に銃を向けた。勿論、撃つ気などない。脅しのつもりだった。しかし、怪盗はこう言った。
怪盗「…撃ってみろよ。」
そう言うと、怪盗は私に近づいて来た。予想と違う反応に、まだ、新人だったという事もあり対応する事が出来なかった。
その後、怪盗が私に気を取られている隙に、別の警官が怪盗を確保した。
恐らく、これが初めての捕まえるのに協力した事件だ。だが、私自身で捕まえる事が出来たのではないかと後悔している
さて…場所が分かったのは良いが、何のためにこんな事をしているんだ…
私には、謎の声の主の目的が分からない。
しかし、行動しなければ爆弾で大勢の人が死ぬ!
後、7分か…十分に間に合うな。
そして、爆弾のある所に…
ナックルジョー「爆弾があった!さて…警察に電話して、爆発物処理班を呼ぼう」
電話をしようとした瞬間、モニターが急に映し出される。
謎の声の主「言い忘れていたが、警察に電話した場合このモニターは遠隔操作で爆発する。まあ、モニターを安全な所に置いて警察に電話しても構わない。ただ、このモニターは、持っておくべきだ。そうしないと、私を捕まえる事が出来なくなるからな」
モニターの映像が途切れる…
謎の声の主は、私に捕まえて欲しいのか?いや…違う。奴は、ゲームとして私を弄ぶつもりだ。謎の声の主は自分は絶対に捕まらないと言う自信があるとでも言うのか?
奴の目的は何だ?
…後2分だ。爆発物の解除の経験は訓練ではある。これは…パイプ爆弾と呼ばれる物だ。
仕組みは極めて簡単で、すぐに解除する事が出来た。解除をしたと共に電話が掛かってきた。
謎の声「良く出来たな…フフフ。次は、君が今、最も信頼をしていない者の家に爆弾を仕掛けた。タイムリミットは、30分後だ。さあ、阻止できるなら、阻止して見ろ!」
信頼…私が信頼していない者…
長官の頭が浮かび上がる…
長官以外あり得ない…申し訳ないが、長官の家に行こう。
長官の家に着く…
しかし、インターフォンを押しても出てくる様子はない。それもそのはず、長官は今勤務中である。
後、5分しかない。怪盗を捕まえた場所から、長官の家は遠かったのだ。
まずい、このままだと、爆発する!
すると、モニターに再び映像が映る。
謎の声の主「思ったより、苦戦しているようだな。そんな時には、ゲームでもして遊んでいれば良い。このモニターには、ゲーム機能が付いているんだ。フハッハッハ!楽しもうじゃないか!」
ナックルジョー「馬鹿にしやがって!こんなモニターを持つ意味等ない!」
私はモニターを置いた。
モニターの画面には、何故かゲームの表示がされていた。
…そのゲームの表示が少しおかしいのだ。
画面の中心に爆弾マークがあり、画面の左上には制限時間が書かれている。
そして、私に似たプレイヤーキャラが少し離れたところにいる。
しかも、制限時間がちょうど、謎の声の主が言っていた制限時間と偶然一致している。
…そんな事をしている場合じゃない。残り1分だ。
こうなったら、強行突破だ!
私は、一軒家である長官の家の窓ガラスを割り、潜入した
モニターの画面を見る。後10秒。
…とにかく、探すしかない!
10秒後…
ナックルジョー「…終わりだ」
しかし、少し遠くの方で爆発が起こった。
電話の音がする。
ナックルジョー「…どういう事だ!」
謎の声「ゲームを遊んでいれば阻止出来たはずだ。信じられないかもしれないが、このゲームは、我々の世界とシンクロしている。まあ、追々分かってくるはずだ。今の内に言っておこう。私の目的は、あなたと、ある人物に対しての復讐だ。さあ、これからが現実の予告のゲームの本番だよ。次の予告は、残り1時間以内に、警視庁にある爆弾を解除しろ。しなければ、警視庁ごと吹っ飛ぶぞ。そして、俺はそこにいる。だが、君は気付くだろう。モニターのゲームがいかに重要かを…さあ、俺が創った二つのゲームに翻弄されろ!」
電話は切れた…その瞬間だった。
俺の前に、突如ガニョッキが現れた。
ガニョッキ「俺の家…爆発しちゃった。お前、俺の事、信頼していなかったんだな」
ナックルジョー「何言っているんですか!そんな訳ないじゃないですか!」
何だ?ガニョッキが、大量に増えている!しかも、同時にゲームでも、プレイヤーキャラの目の前にガニョッキらしきキャラが同じ様に増えている!
そうか、これが、シンクロしているという事か、なら…
ナックルジョー「バルカンジャブ!(複数のガニョッキに当たり、倒れるがダメージはなく、すぐに起き上がる)」
どうやら、私はシンクロの対象に入っていないな。
さて…これと同じ事をゲームで、コマンドを打つと…
画面の中のプレイヤーキャラ「バルカンジャブ!(画面の中で、ガニョッキらしきキャラが消える)」
ナックルジョー「やはり、現実世界の中でも消えた。敵はシンクロしているみたいだな。つまり、ゲームで起こる事を現実世界でも反映させているという事だ。しかし、こんな技術をどうやって?…考えている暇はない。後、50分。早く警視庁に向かおう!」
俺は、ゲームを片手に警視庁へ向かった。
一方…
警視庁長官「貴様!何をしているのか分かっているのか!私を縛り付けるとは!」
謎の声の主「お前に用は無い。…用があるのは、お前を裏で動かしている奴だよ」
警視庁長官「…!何故、それを!」
謎の声の主「…復讐だよ」
予告電話 着信中 続