一瞬を撮る理由
切り取る一枚は、とても些細なものかもしれない。
どう考えたって、無駄なものかもしれない。
でも、この青空も、死体に埋まる地面も。
私にとっては被写体に変わりはない、変わる訳がない。
そこに思いが込められている、それだけだ。
条件はたったそれだけ、それに人が死ぬのは、仕方のないこと。
白軍司令部の、サボタージュマイスターことの私が言っても説得力はないかもしれないけど。
でも私は、君達よりも長く生きてる、君達よりも強く生きてきた。
遊んでばかり、それでも。
女の子になって、生きてきた。
変なこともされそうになった、殺しだってしてきた。
だからこの国のために死ぬ覚悟は、それなりに持っているつもりだよ。
だからこそ、今スナップしておこうとする。
もう二度とこんなことはあってはいけないように、私はその一瞬を撮り続けるの。
考えたくないって言ったって、来るものは来るの。
私はその考えたくない一瞬に備えているんだよ。
それをもう嫌だと言って放り投げるのは、お門違いだと思うの。
…それとも君は、死ぬのが怖いの?