『 僕のお嫁さんにならない? 』
もう空は青み掛かっていて夕暮れに染まる山際との色合いがとても美しい。
そんな風景に満ちた小窓をフームは心配そうに見つめていた。
「 どうしたのフーム?さっきから手が止まっているわ。」
フム「 いや…カービィまだかなって… 」
フームの目の前には手付かずの夕食が置いてありもう生温くなっている。
フム「 … 見てくるわ。」
メム「 駄目よ、さっき侵入者がいると隊長から通達があったでしょう? 」
フム「 でも… 」
部屋の鍵に手を添えているのをメームが上から包み込むように抑える。
隊長はデデデの駒だし、嘘をつくのも朝飯前よね…
フム「 やっぱり行ってくるわ!! 」
メム「 ちょっ…フーム!! 」
メームの姿が暗くなっていくのを振り返りながら何度も見つめた。
( ママ、ごめんなさい! でもあの銃声は誰だって気になるわよ! )
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フム「 何よコレ…くさっ! 」
あの3音の発砲音でどうやってでたのか、中庭には煙の臭いが充満している。
鼻を摘まむ手を退かして視界を広げると、そこには横たわるカービィの背中があった。
フム「 カ、カービィ! 」
腕の付け根を掴み仰向けにさせると胸元が血で濡れている。持っていたハンカチで抑え込み、ハンカチが赤に染まるのを横目で見ながら事の終わりまでいたと思われるメタナイト卿を探した。
メタナイト卿は血に濡れた城壁の隅でぐったりとしている。
フームはその二人を抱き寄せて止まらぬ血にタオルを何枚も何枚も押し付けてただひたすら止まるのを待った。
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車の揺れに揺さぶられながらメタナイトは目を覚ました。
メタ「 ここは… 」
フム「 ああ、起きたの! 」
フームが涙を浮かべながら抱きついていた。
メタ「 あの…フーム? 」
フム「 …あ!! ごごごごめんなさい! 」
フームは我にかえり顔を赤らめながら身を引く。
メタ「 すまない… 」
フム「 え、あ、いきなり!? 」
メタ「 その…カービィを… 」
フム「 いいいいいいわよ!無事だし! 」
メタ「 …すまない 」
フム「 ( かわいい… ) 」
二人の話声でカービィも目を覚ましたようでベルトを外す音がした。
フム「 カービィ!起きたのね! 」
カ「 うん!おかげさまでね! 」
フム「 それはy…「「 はぁぁぁぁぁぁぁぃぃぃぃいいいい!?!? 」」
車に乗っている全員が声をあげる。
カービィは相変わらずきょとんとしている。
フム「 カカカカービィが…… 」
メム「 喋ってる… 」
メタ「 我が子の成長d「うるさいロリナイト 」
カ「 んん? 僕がどーかした? 」
カービィはニコニコと笑いながら視線をメタナイトに移して仮面の留め金に手を掛けてパチンと外す。
メタ「 なっ…何を!? 」
カ「 んふふふふ〜♪ 」
此方を凝視していたメタナイトの仮面が気になっていたらしい。フーム達に見えなかったのは幸運だったが。
カービィはメタナイトの腕を引き自身に密着させた。
メタ「 カービィ!ふざけるな! 」
カ「 見えないからいいでしょ! 」
見えないからっといってもメタナイトとカービィの間はあと数センチだ。メタナイトもカービィの吐息が顔にかかりそれなりに動揺しているようだ。
カ「 ねぇ、君。 」
メタ「 君というなこの変態がっ! 」
メタナイトが繰り出した一撃は簡単に止められてしまい、メタナイトは力の入らない体に違和感を覚えた。
カ「 僕のお嫁さんにならない? 」
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「「「 はあぁぁぁぁぁああああああああああああああ!?!?!?!? 」」」