ごぶこぶなお話(ちょっととちほ。)
やあ、こんにちは。
僕は何処にでもいる普通のゴブリン。
この度、チームに入ることになったんだ。
ゴブリンはHP30っていうハンディがあるけどコストは0なんだ。
だから主に領地拡大程度の事にしか召喚されない……0円だし。
武器を持たせればちょっとは強くなるけど…それでも皆にはおよばない。
そんな平凡な種族の僕がチームに入れるなんて耳を疑ったよ。
そのチームは色々と凄いらしい。
だけど肝心なメンバーを僕を派遣した人達は教えてくれなかったんだ。
何だっけ……大人の事情って奴だったかな?
とにかく、そのチームが凄いってことは隣の部屋のサイクロプスさんから聞いてたんだ。
でも、どう凄いのかは全然分かんないらしい。
謎に包まれたその物凄いチーム。
僕の胸の高鳴りは最高潮。
だってそんなに凄いチームにこんな底辺なゴブリンがお世話になるんだ。
これは一種の革命だよ!
レッドキャップ様が現れたぐらいに!
ドキドキワクワク。
そんな子供みたいな気持ちで僕はその時を待ってたんだ。
チームからのお迎えは二人可愛らしい男の子と女の子。
双子のオドとデクって言うらしい。
オド君とデクちゃんはHP20しか無いけど援護っていうのを持ってる。
援護っていうのは、僕達の事を総じてクリーチャーって言うんだけど。
そのクリーチャーをアイテムとして扱えるんだ。
僕達をアイテムとして使うことで、元のHPSTに使った僕達のHPSTを足すことになるんだ。
コロッサス先輩を呼ばれた時の恐怖と言ったら……言葉にできないよ。
とまあ、そんなこんなで。
僕らはチームの楽屋に向かったんだ。
扉をあけて待っていたのは。
「よーこそ!よーこそ!」
「われらがチームへようこそようこそ!」
なんてうきうきした感じの歓迎。
楽屋にいたメンバーは個性的の一言。
風船みたいにプクーと浮いているのはルファさんって言うんだって。
ルファさんの種族はちょっと個性的な種族。
自分のHPが0になると爆発して相手のMHPを-40削るんだ。
けど使いどころが難しいから(ナカノヒト的にはだが)何とも言えない。
次に物陰からこっちを覗いてくるのは小さなリス。名前はクルちゃんって言うらしい。
クルちゃんもオド君と同じく援護持ちなんだ。
あと違う所があるとすれば……巻物反射っていうチート性能かな。
巻物は地形効果を無視してダメージを与える強い武器!
けど、この子はそれを反射するんだよね……。
おかげで手が出せなくなる土地になっちゃうこともある。
他にも色々な方が居たけどどれも皆本当に個性的だったよ。
そして僕の実戦投入予定はもうあるらしい。
折角のチームの為にも頑張る!
そう意気込んでいた僕。
楽しくてしょうがなかった。
向かえた実戦!
ブック(デッキ)の中で僕はその瞬間をワクワクして待っていた。
ついに引かれた僕のカード!
旦那さんの手札を見てみると……オド君とクルちゃんも一緒だ。
ワクワクしながら僕は手札に……
入らなかった。
物の見事に切り捨てられた。
切り捨てられた僕。
けど、またまたチャンスが!
とあるスペルカード、あ、弾幕ゲーじゃないよ。
それによって僕はまた日の目を浴びることができた!
今度こそ!
意気込む僕に応えるかのように僕は引かれた。
そして無事に手札入り!
やったね!
と、旦那さん此処で高額領地に!
2000ごえでしかもノームさんがどっしりと。
ノームさんは戦闘自体はお世辞にも強いとは言えない……。
けどノームさんにはある能力があるんだ。
ノームさんの能力は通行量1.5倍。
つまり2000よりも大きく……下手したら3000越えも……。
うーん、ここは詰みかなぁ。
そうおもっていたら。
旦那さんは僕を指名したんだ。
一瞬、えっ、て思った。
ただ、勝てる訳ないのになぁ。
相手は案の定STを0にして守る作戦を選んだんだ。
うむ、勝てる訳が無い。
けど勝てるんだ。
手に持たされたのは、それはそれは綺麗な命の結晶。
ライフジェム
紅く透き通っているその結晶の美しさは見るもの全ての心を虜にする魔力を持っていた。
勝てる訳、あった。
僕が、僕が犠牲になればいいんだ!
瞬間、命の結晶から紅い光が出てきてそして………。
はっ。と目が覚めるとそこには見覚えのある天井が。
……隣には皆が皆笑顔で立っていた。
よく頑張ったねと労いの言葉をかけてくれる人もいれば。
何でお前ごときが……なんていう皮肉気味の言葉も聞こえた。
あの後、旦那さんは高額を見事に取って勝利したみたい。
あぁ、良かったなぁ。
その勝利を僕たちは心の底から祝った。
それから数日後、僕は特効隊という名目を引っ提げて頑張っている。
旦那さん、今度こそ捨てないと信じてるから!
ほら、クレイモア二枚もいらないでしょ!
ね?だから僕を手札にぁぁぁぁぁぁ(ry
ソルタリアは今日も平和です