Report1・持ってはいけない者
1
あの事件から数週間が経った。
大統領から奪取された物は公式会見はされず、ニュースでは単に暴動事件と発表された。
奪取された大統領の持ち物は重要なものであり、CIAそうでで捜索にかかっていた。
「せ〜んぱい!」
一人の女性がウェルスに声をかけた。
「なんだよ花音か・・」
ウェルスは呆れた顔で後ろを向く。
「先輩。なんだか最近元気ないですね」
「そう見えるか?」
「見えますよ。なんつーかー、こー・・」
「いつもと同じだけど・・なーんか違うような気がするんですよ」
花音は不器用な説明を始めた。
「ふっ」
ウェルスは鼻で笑った。
「あの時の暴動事件・・。ただの暴力じゃなくて、何にか盗んで行ったような気がしてな・・」
ウェルスはそう花音に言い、スタジオに向かった。
花音はとりあえずスタジオに向かうウェルスに手を振った。
2
「じゃあなハヤブサ!また明日な!」
ウェルスはそう言いテレビ局から出て行った。
「んじゃ。俺、深夜の収録があるから」
ハヤブサはそう言いスタジオに向かった。
「ふうー。タクシー乗る金も無いし、かといって夜の歌舞伎町を歩くのは嫌なんだよなー」
ウェルスはそう呟き、駅の前を通りかかった。
「ん?なんだ?」
足下を見た。
「メモリースティック?」
ウェルスはメモリースティクを拾った。
「なんだこれ?」
ウェルスはメモリースティックをポケットに入れた。
3
『If it is still found and dropped off!?(まだ見つかっていないだと!? 』
「Please do not get impatient!(焦らないで下さい!)」
「It is searching by the Legend full force!(レジェンド総出で探しているんです!) 」
「Probably, it is not, even if it also regards CIA as having fallen on the ground by no means
(CIAもまさか地面に落ちているとは思わないでしょう)」
『Has it settled down in this situation? Carry out early!(この状況で落ち着いてられるか!早くしろ!)』
電話は切れた。
「っしっかしなー。このメモリースティク。なんだろうなー?」
ウェルスはそう呟きメモリースティクを真上に投げてキャッチした。
つづく