運命というのは酷いことへ導くのだろうか?
私はただ呆然と立つことしかできなかった。者が死んでいく…それを見て楽しんでるやつらがいる。
ただただ争いを見つめる私に誰も気づかない。でもあの人…フェンは私の手を取り食堂の奥へと走っていった。
気がつくと私の視界にはうっすらとぼやけるものがあった。それをぽろぽろと地面にあたって砕ける…この様子に気がついたのか、フェンは私の目のあたりに手をあててどこか物悲しそうな顔をして笑っていた。
フェン「はは、どうしたんだ…お前?」
メルア「え?どうかし…たの…?」
何が起きてるのか自分にはわからなかった。そうするとフェンは手を見せてくれた。フェンの手の上には丸くて透明な粒のようなものがあった。
フェン「お前が涙を流すなんて…な。珍しいじゃねぇか…。」
そういわれて手で顔にあてると、涙のようなものがあった。いつの間にか泣いてたのだろうか、肌が少し冷たくなっている。
フェン「泣くんじゃ…ねぇよ。お前が泣いたら…俺が悲しくなる…じゃねぇ…か。」
メルア「フェンが…フェンがぁ!」
フェンの心臓の辺りに【血】というものがついていた。グッタリとしているフェンはもう動けない位、傷ついていた。
フェン「大丈…夫だ…。こんぐら…いで…死な…ねぇ…よ…。」
メルア「フェン!」
フェン「お…前を…守れ…てよか…た…ぜ…メル…ア…。俺…は、お前…のこと…が…………。」
メルア「………フェン?ねぇフェン?どうして目を閉じてるの?フェン?ねぇ…どうして…?」
フェン「…………………………」
私はフェンの名前を呼び続けていた。何度も何度も呼んだ。
だが、フェンの声はしない。
時が止まった感じだった。
メルア「フェ…ン…。イヤ…イヤ…ウソだ…フェンが死ぬわけ…な…い。」
扉の方から、ドンドンと大きな音が聞こえた。私はどうすればいいか全然わからなかった。ただたんに泣くしかできなかった。視界が滲みすぎて何も見えなかった。見えなくなってしまった。そうして私は気を失った。
目を冷ましたら地面にいた。
地面に寝そべっていて倒れていた。少し思い体を起き上がらせて周りを見てみた。
目の前に者と思えないものがいた。そいつは紫色の体をしていて、黒の羽があった。黄色い瞳から語りかけるように呟いた。
「お前の大事なやつを生き返らせようか?」