あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: 彩猫/投稿日時: 2012/10/20(土) 11:53:50
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猫耳少年と里奈が出会う時。

なぜか、猫耳少年は里奈のことを気にかけている…?

里奈の過去に何があったの…?

お楽しみに!
2.雨にはご用心
次の日ー。

塾が長引いたせいか、時間がかなり遅い。

それでいって雨。最悪だ。

いまにも壊れそうな折りたたみ傘をクルクルと回しながら里奈は、誰もいない帰り道をゆっくり歩いていた。

折りたたみ傘に雨の粒が落ち、軽やかな音を鳴らす。

里奈は、その音に夢中で、首輪を付けた猫がそばでこっちを見つめていることに、気がつかなかった。

しかし、人らしい足音が聞こえてくると、里奈はパッと足を止めた。

前から人影が見える。歩いている。

そして、すれ違った。

その人影は、思ったよりもぐんと小さかった。

びしょ濡れになった猫の耳のパーカーを頭からすっぽりとかぶっている。
まさか、この子、猫耳少年…?

顔は隠れていて、よくわからない。

怪しいと疑うのに、ついその少年に目がいき、声をかけようと手を伸ばした…、そのまえに少年はこちらに振り向いた。

「ご、ごめんね…」

少年は里奈の言葉を無視した。

でも、少年は確かにこちらを見つめている。

さっき里奈が見逃した猫が少年の足にすりついた。
そしてひとことにゃあ、と鳴いた。

猫耳少年は猫を抱っこしながら、いなくなった…いや、まばたきしたとたん、姿を消した。

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