あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: 想羅/投稿日時: 2012/08/30(木) 17:18:06
投稿者コメント:
キチガイ小説第二段だぜ!(
まさか評価がつくとはな……これには驚いた(

ちなみに今回も結構ヤバいから苦手な人は見ない方がいいんだぜ。

ちなみに今回のテーマは『紅』だそうだ。
スカーレット姉妹が印象深いのか?紅と言えば紅霧異変、なんだぜ。

以上魔理沙風でお送りしました(
と言う訳でどーぞー

悪魔城と東方の幻想入り小説誰か書いてくれないかなぁ…(((他力乙
銀の針が刻むは金色の時
血の紅は狂おしいほどに美しく


パーツは人形のように綺麗で




そして逝く瞬間を見るのが


一番、快感を得られるのだ。



「あぁ、世界よ。何故貴方はそんなにも美しいのかしら?」


「ねぇ、そう、思いませんか?」


スパァと、肉の裂ける音がして間もなく、鮮血が飛び散る。

紅は全てを染め上げた。

床も
壁も
空も
彼も

私の体をも、染め上げてしまった。

その鮮血をまともに浴びた淑女からは鉄の匂いと死の匂いがしてしまっている。


けど、快感を得る為にはそれが必要なのだ。


これではいけない。
そして私は淑女なのだ。
殺しなんておぞましいことする訳が無いのだ。


辺りを見回し、誰も居ないことを確認。

いつもの様に鞄から時計を取り出す。
形は懐中時計。そして金色である。


そしてまた、いつも通りのカチリという音をたて、その蓋を開ける。

銀の針は現在を刻み続けている。
淑女はその時計の真ん中をぐいっと押し込んだ。


カチリ、と心地よい音がした。


するとどうだろう。


全ての物が、風が、世界が、『停まった』ではないか。



死体からは匂いも何もせず。


鳥は羽ばたいたまま。



色も音も、何もかも、失われているその世界の中で
淑女の持つ紅色はとても目立った。



手に持つ刃物に付いた鮮血は妖しい光を放ち。




見るものを魅了する紅の夢を見せる。


時の止まった路地裏を、淑女は歩く。

しない筈の音がゆっくりと確実に刻み

無い筈の色が光を帯びて

辺りを紅く染めていた。


感情があらわになり醜い顔をした下衆(アイツ)も

悲しみにくれる顔で色のない空を見上げる童子(アノコ)も


なにもかもが
通りすぎて、色褪せていく。


止まった世界の中で、靴音は響く。
淑女に声をかける者は、誰一人居ない。
掛けることすら出来ないのだ。



この停まった世界は
淑女には金色に染まっているように見える。

おかしいところなど無い。



もしこの世が金の彫像で一杯なら、周りは金色、金の世界。


動かぬ者(スタチュー)
それは金の彫像のように美しくて、儚くて、芸術的で


それがこの、停まった世界なのだ。




針は動かない


動くのは淑女だけ。


パタンと音をたて


懐中時計を閉めれば


時は夢からの目覚めを迎え




紅の帽子と服に身を包んだ淑女は、


今日も何処かへ消えていき



何処かに現れては


「世界よ、何故そんなに美しいのかしら。」


___悪魔の笑みを浮かべた後に…



紅の夢は、終わらない


終わらせて、なるものか。

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