あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: 想羅/投稿日時: 2012/05/21(月) 05:38:48
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何を書いてるか全く分からない。
書きたかったから書いた、そんな感じです。
空を見上げて
黒い草原にねっころがる。
いつも仕事をする前はいつも空を見上げる。
今日の空の色は灰色。
雨が降っていて、雲ばかりだった。
薄暗いという事に慣れている自分が居るのが嫌だ。

人は死ぬと天に昇ると言われている。
こんな天気なのに天に昇らなきゃいけないなんて。
やっぱり『死』なんて理不尽なんだ。
音も無く近寄り、全てを奪っていく『死』。
存在しないほうが良いに決まっている。

なのに何故。
人は死ぬ時、何故笑顔なのだろうか?
雲ぱかりで薄暗い空を見上げても、分かる訳が無い。
いや、僕は永遠に理解出来ないのだろう。
『死』という現象を理不尽だと言う僕には、到底分かる筈が無い。



もう、考えるのは止めた。
絶対に分かりもしないことを考えるなんて無駄だから。

雨はまだ降っている。
僕は黒い草原で灰色の空を見ていた。

もしかしたら、あの空は僕の心なのかもしれない。
何も無い、空っぽで灰色だけの空。
けど、あの空から雨は降っている。
つまり、潤っている、僕とは違って。

何をしても、何を食べても。
その心が満たされることはまず無い。
僕はただ命を奪うだけ。
それ以外の事に関しては何も無いといってもいい。

そんな『死与』の存在意義は死神様から与えられる名前。
たったそれだけだけど、それはある意味で命だった。

僕たち『死与』は死なない。
その名前が生きる限り、永遠に『死与』は生きる事が出来る。
『死与』の死の瞬間は死神様の名簿から名前を消されてしまった時。
名前が無い、それは存在しないも同然のこと。

存在しない……つまり居ない。
そこには何も居ない、居なかったと自分に嘘をつくのが『死与』の掟。
忘れられた者達の居場所なんて此処には無い。

下らない事を考えていたらいつしか空は晴れていた。
晴れていたと言っても、そこにあるのは夜空なのだが。
星も雲も何も見えない、此処では晴れた空が一番つまらない。

人間界の仕事を終えた後。
もう辺りは暗く街の窓からは灯りが灯っているのが見えた。
そこで何を思ったのか、僕は空を見上げたんだ。

瞳に映るのは無限の星空。
吸い込まれそうな空に散りばめられた星は輝いていた。あの星空は忘れなれない。
そして僕は、人間界が好きになった。
僕の住む所も勿論好きだった。
けどそれ以上に、その世界を好きになってしまった。
色鮮やかなその世界は僕を虜にしたんだ。

雨も止んだという事はだいぶ時間がたったのだろう。
あれ?


僕は、とても大切な何かを忘れている気がする。

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