あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: おみやん/投稿日時: 2024/03/15(金) 21:10:12
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あと1〜2作で完結すると思います しばらくサボっていてごめんなさい。
そろそろ
あれからどれぐらい経っただろうか。
梅の花は綺麗に咲き、枝垂れ桜にはつぼみもあった。

あかねはいつもの様に流星を誘って遊びに行く。
今日は少し遠い公園まで行くと約束していて、2人とも心を躍らせていた。


いつの間にか3月21日までも残り日数が少なくなってきた。
時計は午前8時を指している。
青空の下、あかねと流星が出掛けに行くのを、おじいちゃんとおばあちゃんは見守っていた。


行く途中、あかねと流星は楽しそうに話していた。

遠くの公園まで着いて、2人でボールで遊んでいた時だった。
流星が突然口を開いた。
「そういえば、あかねちゃん、スーパーデラックス買えたの?」

「あぁ、まだ買えてないんだよ。あとで貯金箱の中身を確認しておこうかな。」

陽気な気分で2人は話していた。
その時、空にあのきらめきの六角形が横切った気がする。

そう。マルクだ。

「あぁ!マルク!」
あかねは思わず叫んだ。

「ん?なんなのサ〜 あ、キミか!」
マルクは言いたいことがありそうな表情だった。

「あかねだよ。ところでそろそろマルク誕生日なんだな。」

「あぁそう。」

しばらく無言の時間が続いてしまい、3人は沈黙していた。

しかし、マルクが口を開いた。
「あの時はごめんなのサ。」

「え…?」
あかねと流星は焦った様に言った。

「ボクは…スーパーデラックスが欲しかった。でも、買うのを後回しにしていた。どうせ手に入ると思ったんだぜ。」

「え…そうなのか…」
あかねは驚きのあまり、それしか言葉が出なかった。

「そのうちに、いつの間にか何十年の時が経っていた。そのせいで、現代なんか。スーパーデラックスなんて手に入れるのは難しくなっちゃったのサ。」

「そうだったよね…あかねちゃん現代から来たんだったよね」
流星もここでやっと喋った。

「結局、1人で1996年で買おうと思ったけど、マルクが現実にいるなんて思った人なんていない。つまり買いに行ったらみんなびっくりってことなのサ。」

「あぁ…そうだったのか、、だからわざわざマルクファンの自分をこの年に連れてきて、スーパーデラックスを買ってもらおうと思っていたのか。」

「そうなのサ…。ごめんな。」


流星はこの出来事を初めて知ったので、かなり驚いた表情をしていた。



しばらくして、あかねが言った。
「いや……全然良いんだ。この年に来ただけで、友達いっぱい出来たし。楽しかったことばかりだ。」


「ありがとう…。なのサ。」

「用事があるから。じゃあね」

あかねと流星はマルクに手を振って、2人で語り合って歩いて行った。

マルクはその姿から目が離せなかった。


あかねと流星は、あかねの家まで行って遊んだ。
ついでに、あかねは貯金箱の中身を確認した。
中身は、5000円。

「!?まじか!やったーー!」

あかねの声が家中に広がった。
スーパーデラックスを買えるお金があるのだ。

流星に伝えて、早速カセットを買いに行った。


「値段は4000円です。お買い上げありがとうございました。」

店員さんが言って、あかねと流星は店を出た。
「ついに買えちゃったね。」
「うん!」

2人とも嬉しさのあまりウキウキで家に帰った。
心が躍って、とても遊ぶのが楽しみだった。

スーパーファミコンは、流星の家で貸してもらえる様だった。




今日の夜のことだった。
あかねは布団に入りながら、今後のことを考えていた。

「もう帰らなきゃなのかな。スーパーデラックスも手に入れたし。」

少し悲しそうな顔だ。

そう呟いて、目を閉じた。

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