第17話 限界に向かって突き進め 後編
「………」ガシッ
「…メタ。お願い…勝って…!!」
激しい激闘の中、カービィは不安な気持ちを思いながらメタナイトを信じて見守っている。メタナイトは、ダークメタナイトの本当の気持ちを聞いたため、彼を救い出そうとしていた。
「くっ…!!何故、私のことを見つめる……!!」
「…つらいのだろう」
「……………」
メタナイトの話を一応聞いているが、無視している。
「楽にしろ。そうすれば、そなたのことを待っている人たちが…」
「…………」
メタナイトは彼を説得させようとするが、聞いてくれない…。心の奥底から溢れていく漆黒の闇から彼の本性は全く聞こえない…。何を言おうと否定をし、攻撃をしてくる。それなのに、メタナイトは諦めなかった。何故なのだろうか…。
「…さっきから いろんなことを ぐちぐち言って… そんなに私のことが憎いのか!!」
「ああ、憎い。今のお前がなっ!」
「なっ……!!」
メタナイトの一言に彼は動きが止まった。彼の本当の声は聞こえない…。ただ、ひたすら深き闇の中で叫びと共に助けを求める…。メタナイトにはそれしか聞こえなかった。
「過去のことを覚えているか? 」
「…いきなりなんだ」
少しだけでも聞いてくれた。さっきよりは、マシになったのかもしれないと思ったメタナイトは話を続けていく。
「今の頃になると、私はきっとそなたになっている。的なことを言ったのを覚えているか?」
メタナイトは確かに過去のことを思い出していたが、ここら辺のことは聞いていなかったはずだった。あのとき、一応意識はあったのだと思った方がいいと思う。
「そりゃあ 覚えてるさ。 何故なら、俺が言ったのだからな!!」
「フッ… やっと本性を出したか」
「……!!」
「「「「「えっ………!?」」」」」
メタ、ダメタ以外一同は彼の一言に衝撃のあまり……一斉に驚いた。
「じゃ、じゃあ……そこにいるダメタは…なんなの!? 目的はなんなの!?」
「……………」
「答えてよ! ダメt「黙れっ!!!」
Σビクッ
場の空気がガラッと変わった。しばらく、沈黙になっていたが、メタナイトが話し始めた。
「ダークメタナイト。そなたは、本当の彼の気持ちを聞かずに無理やり闇に染め上げた。今頃、彼は精神の中で苦しんでいるのだ。そこまでして、私のチカラを奪うためにするのか?」
「チカラを…奪う……!?」
「な、何故 そんなことをするんですか!!!」
「どーせ、全世界を支配するために決まってるゾイ!全世界を支配するのはこのワシ デデデ大王様だ!!」
「一 旦 黙 れ デ ブ ペ ン ギ ン」
「す み ま せ ん で し た」
「早っ…;」
彼の目的を知った 今、みんながダークメタナイトを止めようとしていた。
「俺はこの世界の全てを支配する。この俺を止めることなど誰にもできない!!!!」
と言った瞬間、漆黒の闇ような黒い暴風がデデデ城に直撃する。いわゆる、闇のマッハトルネイドと考えてもいいだろう。
「うわああぁぁー!!」
すっぴん状態のカービィには、どうしようもない。何かを吸い込もうと思っていたがこれはメタナイトの戦い。戦いを邪魔する訳にも行かなかったので、こういうことになっていた。
「くっ…!!」
メタナイトは、剣でなんとか飛ばされないように耐えていた。この暴風の中、彼から声が聞こえていた。
__お願い…
「ッ…!? 今度は一体…!」
メタナイトは、何かの光に包まれていった。