EP.2-7 Encounter 7
結局、僕は、人間になるまでの経緯を全部、包み隠さず話した。
元々はキャベツだったこと。
畑にいるとき、悪魔に出会ったこと。
1年間だけの契約をしたこと。
炎を見つめていたら、人間になっていたこと。
街中でたじろいでいたら、歌声が聞こえてきて、
声をかけたこと―――――――――
「…………そうだったんですか」
彼女は、にわかには信じられないであろう僕の話を、
一言一句真剣に聞いてくれた。
「……だったら、お家とか、お金とか、ないんですよね?」
「え?まあ、そうですね……」
心配そうな表情が、ぱっと明るくなった。
「じゃあ、家、来ませんか?
私、今、2人用の部屋に1人で住んでるんで、部屋空いてますよ?」
「……え!?」
想定外の言葉だった。