EP.2-6 Encounter 6
髪の辺りから漂う、清潔感あふれる匂い。
花のような匂いもした。
美しい彼女にぴったりの、美しい匂い。
「次、口、いいですか?」
「口!?ちょっと、さすがにそれは……」
さっきとは明らかに違う拒否の仕方だったので、
流石に引くしかなかった。
「あぁ、ダメですか。そうですか……」
「……なんか、ごめんなさい」
「いえ!そこら辺は人間の感覚で、ビシッとお願いします」
「人間……?あなたも、人間ですよね?」
しまった。うっかりキャベツの感覚で喋ってしまった。
今の僕は人間なんだから、それはおかしい。
「え、えっと〜……あの〜……」
綺麗に澄んだ目が、僕を見つめる。
なんとなくだけど、この人に嘘はついちゃいけないような気がした。
「…………僕は、本当は……人間じゃないんです。
実は……」