怨念
四匹のポケモンだ。
一匹は、鮮血のように紅く(イベルタル)、一匹は、暗澹を体で表したかのように黒く(ダークライ)、一匹は、異質と思わせるような姿で(キュレム)、一匹は、竜を骨にしたようなこれまた異質な姿(ムゲンダイナ)のポケモンだった。
その四匹はアルセウス達をじっと睨んでいた。
...アルセウスの背中に乗っている一人の人間を。
アルセウス:...夢幻の読みはしっかりと当たってたみたい。
ミュウツー:だが、こんなにいるとは思ってなかったな。
ゲノセクト:仕方なイ、複数いると考える余裕が余り無さそうだったからナ。居心地が悪そうだったシ(夢幻が)。
ポケモンの技で言うと、[くろいまなざし]だろうか。
こちらへその人間を渡せと促されていると顔に書いてある。
だが、渡すつもりなどナイ
なぜなら...
アルセウス:この殺意とかいっぱい詰まってる空気、消してくれない?
四匹:...。
アルセウス:私の命令です...。それでも、聞けないというのでしたら、私達は...実力行使と行きます。
四匹のポケモンは、身構えて、何もしない。
アルセウス:なるほど。それなら、私から。
アルセウス:罪人には断罪を、善人には、慈悲を。
...あなた方は、"ドチラ"でしょうか?
背中にいる人間を宙に投げた。
四匹は、人間を目で追った。
しかし、人間は宙に浮いたままだ。
正確に言うと、その場で静止して浮いたままで、落ちもせず、それ以上、上に行くこともなく、静止したままだ。
四匹が気を取られている間に、アルセウスはつぶてをみまう。
[さばきのつぶて]
小石のようなものが、四匹に向かって飛んで行く。
しかし、四匹はすぐに視線を戻してそれぞれ散らばり、つぶてを避けようとする。
ある者は、翼を広げて、空中を舞い、ある者は、技で相殺を試みた。
ところで、技の命中率って、ご存知ですか。
えぇ、知らない方は少ないと思います。
じつは、アルセウス専用技、[さばきのつぶて]は、
命中率が
100なんです。
それぞれの者はつぶてによって、翼を撃ち抜かれ、身の一部を砕かれ、貫かれ、抉れた。
痛みにうめき声をあげて、もがき、苦しんでいた。
神に歯向かう者は、これまで何回もあった。
ある者は、今まで裏側と呼ばれている世界に封印され、あるものは、永遠に故郷へと帰って来なかった。
神に逆らうものは、幾度となく、この世から形残らず去っていった。
ダークライは最後の力を振り絞り逃げ出した。
イベルタルは、虫の息。
キュレムは、立つのが億劫そう。
ムゲンダイナは、コアの光が弱まっている。
ミュウツー:私達が出るまでもないようでしたね。
ゲノセクト:...にしてハ、少し力を出しすぎな気もするガ...。なにカ、逆鱗に触れたカ?
アルセウス:いや、ちょっと胸糞悪いだけです。おそらく、ダークライの幻覚を見たせいでしょうね。
※ダークライは何もしていないです =(#ノ・∀・)」
ミュウツー:なんというか...呆気ないな。
ゲノセクト:神様だシ。
バトルを期待していた方、申し訳ございません!by作者
夢幻:...う。
うめき声一つ。
アルセウス:あ、気がついた?
夢幻:...ここは。
ミュウツー:ずっと倒れていたぞ。
ゲノセクト:元凶ハ、倒しておいたからナ。
ミュウツー:"達"を忘れているぞ。
夢幻:...そっか。
〜夢幻を下ろしています〜〈オーライ!オーライ!
夢幻:こいつらだったとはね...。
アルセウス:一匹逃げたけどね。
夢幻:そうなの?
ミュウツー:あぁ、ダークライが。
夢幻:へぇ...。
ゲノセクト:とりあえズ、捕まえておくカ。また暴れだされるト、アルセウスがPP切れを起こすからナ。
夢幻:それもそっか。
イベルタル、キュレム、ムゲンダイナを捕まえた。
夢幻:さて、ダークライは...まだ城内かな。