第13話 謎が深まる出来事
秋桜がペンダントのこと、ルーナのことを調べているその頃、他のみんなはそれぞれ何かしらのことを調べていた。バンワドは、世界樹の鍵とかになるような手掛かりを探していた。
「どこかにあると思うけど…。ん? もしかしてこれは、何か鍵になるのがありそうな気がします!」
1冊の少し厚めの本を取り出し、表紙を開く。そこには、世界樹に関しての資料だった。それをペラペラと捲っていく。
「えっと…『世界樹は起動してはいけないもの…。起動した時、止められるものはチカラを持つ者のみ』恐ろしいことが書いてありま………って、ちょっ!?」
見てはいけないページに触れてしまった以上、知っておかなきゃいけないと思い込み、細かく見ていくことにした。そこには、恐ろしい言葉が書かれていた。『世界樹の起動を防ぐには、誰かを生贄するのが1番効率が良い』と。
「そ、そんなこと……絶対ダメです! 誰かを犠牲にしなきゃいけないのはあってはならないことです!」
食い止める方法があまりにも過酷すぎて、バンワドは認めるさえない。何かないかと色々と調べてみるが、どこにも食い止める方法が書かれていなかった。
「そんな…こんなこと、絶対に……なったらいけない……ホントに、こうならなきゃ…いけないんですか……?」
認めざる負えない方法だった。そんなことを本気で言うべきなのかと思い込んでいった。
*
一方その頃、デデデ大王は…食べ物のことしか考えていなかった。
「あー、お腹減ったゾイ」
大事になっている状況下だというのに肝心の大王様はお気楽そうでいた。そして、今更であるがふっとそのことを思い出していたみたいだった。
「あっ! そうゾイ! 何、食べようかと思えばなんでも良かったのか!」
「そこじゃネェだろ………」
突如、アh…ゲフンマホロアがわいて出てきたが、すぐにどこかへといった。何か声がしたのかと思い、後ろを振り向くが、そこには誰もいなかった。
「こ、これは…まさか、おおおおお化けーー!?」
「なんでそうなんだヨ!」
「あ、お前アホロアか! 何故そんなとこにいるゾイ」
「いや、お前がアホだから少し出てんだヨ。それに、アホロアじゃネェし」
「なんだと! 俺さまは列記とした大王ゾイ!」
「久しぶりに聞いたヨォ、ソノ口調」
メタい話ではあるが、すぐ様ババr…ゲフンマホロアは「ンジャ、大事なこと忘れるナヨ」と言ってどこかへと去っていった。
「大事なこと? あぁ! そう言えば、世界樹がどうこうって秋桜が言ってたな!」
「マジで覚えてネェのかヨ!」
「あ、帰ってきた」
「誰のせいだと思ってるんダ“自称大王ならぬデブペンギン”ガァ!」
*
あんなデブペンギンは、ババロアに任せておき、その頃メタナイトは。
「作者テメェ………」
※前言撤回します。アホロアは強制送還させました。
「何だか騒がしかったようだったが気のせいか」
メタナイトはとある1冊の本を手にする。その本は、世界樹のこと、そして、自分の能力についてだった。『ラグナロク』はエイレーネこと、エリーが詳しく教えてくれたが、自分の闇を実体化して戦うあの時の行動や、毎回使っている『暗焉斬』についてだった。それを発動させた時に必ず疲労が起こり得る。何故そんなことが起こるのか気になってしょうがなく、こうして調べていたのだった。
「何が書かれているのか、一通り調べてみよう」
メタナイトはペラペラと1文字1文字を見逃さないように探していく。そこには、恐るべきことが書かれていた。『使用したものは使うに連れて、正気を失くす。最悪の場合、死に至る』と。メタナイトはそのことについて警戒してしまう。
「何故、その様なことに気付けなかったのだろうか。あれを発動したら疲労するというのに、私は使うのだろうか。何の為に、何する為にこのチカラを発動しているのだ……」
──それはお前が分かるだろう
「!! その声は…」
*
『そのチカラを使うのはただ1つ。強くなりたい。違うか?』
「…………………………………」
誰かが嫌なところを突いていくが、知らない雰囲気で黙り込むメタナイトであった。
『考えたくないようだな。そうだろうな、お前の大事な仲間の一部が死んでいったからな』
「くっ…………!」
メタナイツを救うことが出来ず、あのままみんな死んでいく様を見てしまった時、もうダメになのだと思い込んでいた。
『そのチカラさえ使いこなせば出来たのにな。救うことが』
「だが、私は使いこなせていなかった。どうすれば!」
『簡単なことだ。使いこなせればいい』
「だが、あれは……」
さっき調べていたあのチカラについて思い込んでしまう。あれを使えば死に至ることもある。それに恐れていた。
『まさか、怖いのか? そのチカラが』
「怖いことなど……!」
そんなフリをしているが、本心では僅かに恐怖を感じていた。
『やっぱりな。お前、それのせいだろ。使いこなせていないのは』
「…どういうことだ」
『簡単なことだ。その中途半端な気持ち、いわゆる迷い。それのせいで、使いこなせていないのだ』
「中途半端………」
自分がどうしてそのチカラを使っているのかと自分の胸に聞く。答えはしないが、何となくでもあるが、そんなことを考えてすらいなかったのだと思い込む。
「そうだな…」
『ん? なんだ?』
「私は、皆を守る為にこのチカラを使いこなそうとしていた。それなのに、ただ強くなりたいだけだと思っていた。それは、いくら時間をかけてでも強くはなれない。」
『それが、お前の答えか』
「ああ、そうだ」
誰かが微笑みながら『そうか。なら、問題はないな』とそっと告げる。
「………?」
『お前のその気持ちを突き進めば必ず道があるはずだ。』
そう告げ、どこかへと去っていった。
*
「なんだったのだろうか」
夢を見たかのような感覚で、さっきまでのことを聞いていたメタナイトだったが、皆を守る為に強くなろうと1歩歩もうとする。しかし、どこかでは「やめて…行かないで……!」と拒否をする。だが、そんな声は彼に届きはしないのだった。
『お願いだから、やめて! 1人にしないで!!』
『無駄だ。あいつは、俺の掌の上で踊っている。何したって無駄だ』
『なんでだよ…どうして、約束を破るの………』
『お兄ちゃんなんてだいきらい。』