第14話 エリーの隠れざる秘密 part2
-精神世界-
メタナイトは眠っている…。外の方ではシャドーが起こそうとするが、彼は目覚めない。
「……………」ムクッ
メタナイトがいきなり起き始める。ただし、精神世界の方で起きただけであって実際、まだ眠ってるままだ。
「…ここに来たというのであれば、何か大事なことなんだな…」
メタナイトがなんとなくそう思うと、もう1人のメタナイト、ダメタがこっちにやって来た。
「そういうことだ…。ただし、知ってるのは私でもお前でもない。“過去”のお前だろう…。」
「多分そうだろう…」
「しかし…何故記憶がないのだ…」
そこに、メタがスタスタと来る。
「分かんない…。記憶消す方法って改造手術とか、精神を動かすくらいしかないよ。」
「絶対ないだろ」
「あと、願いや、誰かが消したとか…」
メタナイトは『願い』や『誰かが消した』という言葉でピクッと反応した。彼にそんな記憶がない理由はもしかしなくても、誰かが願いで記憶を消していたのだと思う。
「願いか、誰かによって消されたのだ! 絶対、それ以外ない…メタ、教えてくれ。エリーの過去を!」
「うん。じゃあ………」
メタが過去のことについて語ろうとしたとき、そこをダメタが冷静に止めてきた。
「記憶を消した…というんなら、知ったらとんでもないことが起きる…ということになるんじゃないか」
ダメタは思ったことを口にすると、メタは嫌な予感がしてきたのでやめることにした。
「…………」
「しかし、知らないと助ける方法がないということもあると考えると………」
「どっちだよ!」
「そんなことになっても…教えてくれ」
「なっ…お前! 今後、何があったりするかもしれないというのにわざわざ聞くのか!」
(矛盾した言い方したくせに…)
メタナイトは「フッ」と笑い、「エリーのためにするだけだ」と言った。
「決心したのはいいが、今後…私達が苦しむ羽目になるがいいのか?」
「それは分かっている。それ以外ないというのだ……。というより、早く私の精神世界から出ていけ」
「断る」
Wメタが喧嘩をしようとしていたのをメタが止めようとする。
「ちょっと、ここで喧嘩する気なの!? 一応、ボクとお兄ちゃんの精神世界なんだから暴れないでよ!」
シリアス展開のイメージを壊すような喧嘩がいきなり起こる。それをメタが怒り止める。2人は冷静に戻り、ダメタは「私もここにいたい」と呟く。
「そう言ってくれればいいのに…素直じゃないなあ」
「黙れ」
こんな喧嘩をしている光景を見たメタナイトは鼻で「フッ…」と笑うような笑い方をしていた。
「メタ、そろそろ教えてくれないか?」
「いいよ。全て…話すから…エリーのこと…全部」