あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: 秋桜/投稿日時: 2018/04/25(水) 21:45:57
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前回はバンワドでしたが、今回は水兵ワド

がメタナイトと共に旅することになったかの話です。ワドルディは可愛い。可愛いは正義。

引き続きシリアスです
ボクの居場所
とあるワドルディが城から抜けようとしていたが、デデデ大王直々からの青空のようなバンダナを着けてもらい、改めてやるべきことを見つけ、バンワドが城に残ることになった。

「見て下さいよ、これ大王様からくれたバンダナですよ!」

「「「マジで!?」」」

バンワドのことをおかしいと思っていた3人は罰が当たったと思い込み「ごめんごめんごめんごめんごめん!!!!」と連呼する。

「いや、気にしてないんですけど!」
「でもいいなあ。大王さまからのプレゼントなんて」
「あれ、そんなことかんがえてたの?」
「ボクたちワドルディは欲なんてない存在なのに」

その中での1匹のワドルディがバンワドと同じ考えをする。そう、そのワドルディが、次期の水兵ワドルディだった。



「今日も掃除疲れるよお…」
「頑張って下さい!」

バンワドが側で応援をしてくれるが、そんなことだけで疲れが取れる訳でもない。実のところ、このワドルディは誰よりも体力がなく、落ちこぼれに近い存在である。

「はあ…はあ……」
「そんなんでつかれてたら、このさきなにもできないよ」
「強く責めないで下さい。彼だって一生懸命してるんですから!」

どんなことがあっても優しい対応してくれるバンワドが彼にとってとても嬉しかった。その時、自分達がバンワドを苦しい思いをさせていたことを思い出し「自分もそんなことしちゃったんだ」と反省していた。



「ワドルディ集合!」

隊長の掛け声に合わせて沢山のワドルディが集う。隊長の隣にはバンワドがいた。

「バンダナせんぱいだ!」
「バンワドせんぱーい!!!」

バンワドがバンワドとしてなってから誰よりも努力を積み重ね、ついにデデデ大王の護衛役までの実力をもっていた。憧れの人と隣にいることはワドルディ達にとって羨ましいものだった。

「今日は体力を少しでも付けるようにしますよ! これは、大王様を守る為でもあり、感心させる為です。普段お世話になっている大王様の為に頑張りましょう!」

「「「「「おーっ!!!!!!!!!!」」」」」

バンワドの応援メッセージのような暖かい言葉にワドルディ達は決意をした。彼も「頑張ろう」と思っていた。










































だが、何をしても落ちこぼれでいることに変わりはなかった……。

「なんで…なんで…! ボクはみんなより努力てしてるのに………どうしてボクは落ちこぼれなの!」

こんな自分が嫌い。こんな自分が憎い。彼は自分がどこかへと消えるのがいいと思い始めていた…。



月が綺麗に輝いていた夜中の時、ワドルディは城から抜けることを決意した。持っていける荷物を出来るだけまとめ、誰にも見つからぬように、窓からこっそりと抜け出した。

「だ、大丈夫かな…」

ひとまず、外に出ることは成功したが、問題はここでデデデと接触しないかだ。以前、バンワドは抜けようとした時に見つかってしまっていた。そんなことにならないように慎重に忍び足でいく。

「役立たずですみませんでした……。大王様…さよならっ!」

そう言い残し、城から離れていった。それ以降、彼の姿を見る者は誰もいなかった。



「…とは、言ったけど…この先どうしよう……」

抜け出す目的しか考えておらず、どうしようかと悩みこんでいた。目的を考えようとしても、落ちこぼれだということしか考えず、思いつきもしなかった。

「っ……………………」

何も出来ない自分がここで生きている意味などないと涙を零す。それしか考えようがなくなった彼は、ついに…自殺を考えた。誰も見つからないような目立たない場所で静かに命を引き取ろうとしていた。

「……これで…これで…いいんだッ…!!」

その時、誰かが彼に近付いてきた。それは、あの剣士メタナイトだった。

「どうしたのだ、こんなところで泣いているようだが……」
「あ、あなたは?」
「私はメタナイト。どうやら、デデデ大王の城から抜けてきたのだな」
「大王さまのことを知ってるんですか!?」
「ああ。呆れるくらい」

デデデ大王のことを知っていると思い「何か知ってるか」と聞いてみることにした。

「そうだな。そなたはデデデ大王のことをどう思っている」
「どうって言われても……」
「なんでもいい。ちょっとしたことでもいい」
「うーん…。あ、そうだ!」

彼はメタナイトにバンワドが城から抜け出そうとしていた出来事を話してみることにした。

「……ということがあったんですよ」
「はあ、やはり分からないな」
「そ、それどういうことですか?」
「デデデはそういうことをしたりしない」
「え、で…でも、バンワドせんぱいは城から出ようとしたけどやめていて…」
「そう見えるがあいつは部下思いだ。不器用だからなのか、そういうのはあまりしないらしいが」

そんなことを聞くと彼はこんなことを思い出した。デデデが言っていたあの言葉。

『やりたくなきゃ出ていけゾイ』

「ボクが、結構昔にそんなことを言ってきたけどもしかして……」
「それはきっと『自分の道を自分で探せ』と言いたかったのだろう」
「……そっか、大王さまはそんなことを…」

デデデの言葉に感動したのかジワジワと涙が溢れていた。

「メタナイトさんありがとうございます! ボク、大王さまのとこに戻ります!!」
「そうか、気を付けて帰るの…だ」
「は、はい…? どうしたんですか?」
「下がってろ!」
「えっ!?」

メタナイトが何か気配を感じ取ったのか、ワドルディを押し、庇うかのような体勢を取った。押されて倒れ込みそうになったワドルディは何が起きてるのか分からなかった。

キイィィィン…!!

「何故ここにいる! ダークメタナイト!!」
「えっ? えっ? えっ?」

キョロキョロしてメタナイトが2人いることに何が起きてるか分からず混乱する。

「よぉ、メタナイト」
「メタナイトさんがふたり!?」
「あれは、私の悪から生まれたダークメタナイトだ」
「メタナイトさんの悪から? そんなはずは…」
「ある。あいつは、チカラを求め続ける。例え、強力なチカラを持ったとしてもな」
「あれは、私が強くなる為だ。仲間を守る為に強くなりたいのだ」
「………!!」

メタナイトの言葉でまたこんなことを思い出していた。彼が辛い気持ちでいてデデデと話していたことだった。

『ワシも強くなりたいゾイ』
『そ、そんなことないですよ! それに、それはボクが思っていることですし…だから、大王さまが言うことではないです!』
『そうゾイ? ワシはただ、ワドルディ達を守る為に強くなりたいだけゾイ…』
『でも、大王さまは十分強いです!』

自分には理解が出来ていなかった。そこまでして強くなる必要はないと思い込んでいた。

『お前は新人のワドルディだから知らないと思うが、実は昔、ワドルディが死んでいったことがあったんだ』

いつもの口癖であるゾイが消えていて、本当の話なんだと思うワドルディだった。

『ワシが何者かによって操られたことがあったんだ。そこでワシは沢山のワドルディを殺してしまった。』
『………!!』
『操られたのはワドルディが狙われたからだ。』
『ワドルディがどうして…!?』

基本的にワドルディは雑魚の扱いだが、何故狙われたのか理解が出来なかった。

『といっても、そのワドルディが何故か、欲とかそういう感情を持っている奴が狙われてたんだ』
『い、一体どうして!?』
『分からない。それで、ワシは守りたくなって操られた』
『その後どうしたんですか?』
『そのワドルディに助けられたゾイ』



話からして、そのワドルディはバンワドであると思い込んだ。話をまとめると、バンワドを狙った何者かがいて、それをデデデが庇っていたが、操られてしまい、沢山のワドルディを殺していってしまった。そんな状況でバンワドがデデデを正気に取り戻すような話をしたということになる。

「…やっぱり、バンワドせんぱいは凄いや」
「どうした?」
「ちょっと昔の話を思い出しただけ」
「そうか」

ひとまず、メタナイトはすぐに終わるようにいつもの技で終わらせようとした。

「いくぞ【ナイトビーム】!!」
「させるかっ!」

お互いの剣技で相殺をする。実力は同じレベル。似た者同士だからなのかと悟る。

「相殺した!?」
「やはり、そうくるか」

「「!?」」

メタナイトはいつの間にかダークメタナイトの後ろにいた。

「もしかして今のは、引き寄せたってことだ!」
「そういうことだ」
「くっ!」
「こっちが本物のナイトビームだ!」

無防備である為に避けることすら困難だった。

「ぐあああぁぁぁぁっ!!!」

そのまま、ダークメタナイトは倒れた。

「凄い…」

メタナイトの剣さばきにワドルディは憧れていた。

「なかなかやるな。だが、今度はそうはいかないからな!」

そう言うとダークメタナイトはどこかへと羽ばたいていった。

「大丈夫か?」
「ボクは大丈夫です!」
「そうか、ならデデデのとこへと戻るのだ」

メタナイトはそう言うが、決して帰りはしない。そう、彼はメタナイトのとこで働きたいと思っていたのだ。

「ボ、ボクメタナイトさんの……いえ、メタナイト様のとこで働きたいんです!」
「私のところでか?」
「はい! ボク無力かもしれませんがやれることだけやります! お願いしますっ!!」

ペコリと頭を下げる動作をする。そして、メタナイトの目をジーッと見ていた。その瞳は本気の目をしていて、メタナイトは拒否してはいけないと思い「フッ」と笑う。

「いいだろう。だが、その前に」
「その前に?」

「おーい、ワドルディー!!」

「そ、その声は!」

聞き覚えのある声がした。そう、その声はデデデ大王だった。

「あわわわわわわわわだ、だだだ大王さま! 勝手に抜け出してごごごめんなさい!」

焦った感じで高速で頭を下げまくる。デデデが「全く!」と強い感じで言い、怒られると思っていた。しかし…

「どっか行くんならそう言え」
「え?」
「お前がどこへ行こうとワシは拒否はしない。自分の道は自分で見つけていけ。」
「だ、大王さまあぁぁぁ!!!!!」

ワドルディは大王のもとへと飛びついた。

「ほらほら泣くな。そうだ、お前にこれをやる」
「もしかして、バンダナ!?」

そう思っていたが、デデデが出したものは…

「ほら。うんうん、似合ってるな」
「これって…」

水兵帽だった。

「な、何故に水兵帽」
「他に何が良かったか?」
「いや、普通にあるのかな?」
「でも、似合うからいいし、メタナイトのとこに行くんならこれがいいゾイ!」

根拠のないセリフだと思うワドルディだった。

「まあ、大王さまがそう言うんならそれでいいです!」
「それならいいや。よし、メタナイト。こいつを頼んだゾイ」
「ああ…」

そう言うとワドルディはメタナイトのとこへと行き「行ってきます大王さま!」と言い、メタナイトと共に旅をすることになった。

「帰りたければまた来ていいゾーイ!」

「はーいっ!!!!」

こうして、ワドルディは水兵ワドルディとして、メタナイトの部下であるメタナイツと共に旅をすることにしたのだった。

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