第14話 メタの過去
「さらばだ、メタナイト」
(これでチカラを…手にできる…!)
「カービィ……カービィ……!!」
カービィが目を覚ます気配がなかった。メタナイトは恐怖に怯えていた……。あの、冷静なメタナイトがここまで恐れるのはきっと、大規模なことになるだろうということである。
(私は……私は…………呑まれる……いやだ……)
ついに、恐怖で冷静じゃなくなり過去のメタナイトみたいなことになっていた……。
「…!!」
メタナイトからは、過去のことが脳裏に……浮かんだ………。
街が全て焼き払われている中、まだ生きていた人が3人くらいいた。
『お父さん…お母さん……!!』
『メタ、ここは逃げろ』
『メタ……せめて、あなただけでも生き延びて!!』
メタとは過去のメタナイトのことである。今とは違って戦士の修行しているくらいだった。
『いやだよ…いやだよ!! ボク1人なんていやだよ!!!』
『メタ……お前は立派な戦士になれるはずだ…』
『でも…でもっ!!!』
(ボク…怖いよ…………)
『…とにかく逃げろ……!』
そんなとき、闇の騎士が現れた。いわゆるダークメタナイトみたいなものだった。
『哀れな子供の命でも絶たせるか………』
ダークメタナイトがメタに近づき斬りかかろうとしていた。
『メタッ!』
ザシュッ!
『えっ………!』
闇のように黒い血がダークメタナイトの剣に付いていた。
『……!!』
ドサッ
父はメタをかばって倒れた。息もしていない……ただ、血が溢れ出ているだけだった。
『お父さんっ!!』
『あなたっ!!!……許さないわ!』
『お母さん!!ダメだよ!!お母さんが死んだらボク………1人なんていやだよ…!!!』
『フッ……』
『うわぁっ!』
ダークメタナイトはメタを人質にした。
『お母さんっ!!!』
『メタッ!』
『そこを動くな! こいつがどうなってもいいのか』スッ
『ッ!!』フルフル
(やだよ…みんなが消えるなんて……そんなこといやだよ…)
『くっ!! うわあああああっ!!!!』
『メタッ! あなた、そんな力を使ったら……あなたは死ぬかもしれないのよ!!』
『やはり、お前がそのチカラを持っていたんだな』
『あなたはそのことを知ってるの!?』
『あぁ、知ってるさ……何故なら………私もそのチカラを持っているからな!!!!!』
『ぐっああああああっ!!!!!!』
ダークメタナイトとメタのお互いのチカラが共鳴していた。ダークメタナイトは使いこなせているから苦しまなくて済むがメタはまだそのチカラに慣れていなかった。
『メタッ!!』
母はメタのとこに駆けて来た。
『邪魔だ』
グサッ!
メタ『ぁっ…!!』
ドサリ……
『お母さん…………!!』
母は刺され、血まみれになる。メタはそれを見て全てのチカラが解放された…。
『うわあああああぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!!!!』
メタが泣きまくると共にそのチカラが増していく。
『ぐっ!!な、何だこの威力は!』
ドサッ…
メタは全てを出し切ったせいで意識を失った。
『くっ…まさか、これ程までだったとはな……』
ダメタはそれを見て『もとの世界に戻るとするか』と言ってどこかへと行った。
(俺の姿こそがお前の未来の姿だ…楽しみにしている…)
そんな一言は彼には聞こえなかった…。ダークメタナイトの口調が何故か変わったのはまた、別のお話。