城の異変
"いる"。
何がとは分からないが、確かに何かがいて、空気を重苦しくしている。
息が切れて苦しそうにしている様子を見かねてか、ワドルディが近くに寄ってきた。
ワドルディは、空気がいつもよりも重いのは分かるが、夢幻よりかは楽らしい。
夢幻:アルセウス、感じない?この殺気。
アルセウス:...。ごめん。全く殺気を感じないんだ、
夢幻:え?
アルセウス:私は、殺意がこの空間に溢れているのが分からない。夢幻達には感じるの?
夢幻:...うん。ミュウツー達は?
ミュウツー&ゲノセクト:...すまない、何も感じない。
夢幻:...なるほど、一つ分かった。この殺意、多分私に向けて放ってる。
アルセウス:なぜそう思うの?
夢幻:明らかにおかしい。ワドルディ達も空気が重いと感じている。けど、私ほどじゃない。アルセウス達は、ボールの中に入っているとはいえ、殺意くらいは感じるはず。ミュウツーやゲノセクトは、そういうのに鋭いと私は思ってる。だけど、何も感じない。
夢幻:私と、ポケモン達、ワドルディ達の決定的かつシンプルな違いは、私が人間だってこと。でも、ワドルディ達も影響は受けている。
夢幻:多分、この世界に来て、何もかもが違うことが不安で、仕方なくて、人間の気配がしたから、警戒してる。
夢幻:ポケモンは、自分の同族だから、警戒する心配は無し。ワドルディ達にも影響が出ているのは、優先順位みたいなのがあって、人間である私が一番警戒されてるからだと思う。
アルセウス:なるほどね。
夢幻:つまり、次の相手は人間に対してあまり良くない感情を持っている相手だね。ムゲンダイナ辺りかな...。
夢幻:とりあえず、デデデに会おう。ワドルディ、デデデの所へ案内して。
ワドルディ:わかりましたー!大王さまならぼくらとおなじように、くるしいと言って、テラスでくつろいでいますよ。
〜テラスへ移動〜
ワドルディ:大王さまーむげんさまが話があるそうでーす。
夢幻:...デデデー。最近変なことない...って聞かなくてもいいか。
デデデ:あぁ、夢幻か...変なことならいま起きてるぞ。空気が重くて、息苦しいわい...数十分前からずっとこうなんだ。わざわざそれを訪ねるということは、心当たりがあるのか?
夢幻:珍しく話が早いねー(やっぱりデデデもワドルディと同じレベルの苦しさか...)うん。心当たりがあるからちょっとうろついていいか許可取ろうと思って。
デデデ:あぁ、別に構わないぞ。この苦しさが無くなるのなら。
夢幻:ありがとう...。
夢幻は探索を開始した。