あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: メタ/投稿日時: 2017/09/17(日) 21:52:30
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13本目です。メタナイト卿とカービィのお話。
小さく、か弱き者


ぽよ?

思わず自分の手を見る。
よかった。傷は治った様だ。

なんで………?

頭が動き始める。
ああ、そうか。


また やられたのか


恥ずかしくなって、カービィはうつむく。

また、初恋のあの人_____メタナイト卿に助けられたんだ。


なんで………なんで僕を助けるのだろう。

僕なんか構わずに、フーム達を助ければいいのに。

がちゃり、と扉の開く音。そして
「大丈夫か」
少し低めの、甘い声。
「めや………」

ちゃんと声が出ない自分が恨めしい。彼女の名前を呼びたいのに。

「無理をするな、紅茶を置いておくぞ」
そういって、部屋を出ていこうとする。





_____嫌だ、行かないで






気が付くと、彼女を後ろから抱き抱えていた。

メタナイト卿………


決して聴こえる事のない、心の声。

メタナイト卿はやれやれというように溜め息をつく。

「分かった、行かないから離してくれ」

初めて自分のしたことに気付いた。と同時に、頬が熱を持った。
「ど、どうした、カービィ?」
おろおろするメタナイト卿。今、彼女はリラックスする為か、仮面がない。

(その可愛さ、反則うううううう!!!!!)

カービィは倒れてしまった。
最後に聞こえたのは、彼女の声………………。



あれ?



また、ベッドの上。


ふと、横を見る。
「!?」

思わず、叫びそうになった。


看病してくれたのか、メタナイト卿が寝ている。

すやすやと、気持ち良さそうに眠っている。


_____僕に似ている_____


僕を護ろうとするのは、そのせい?


メタナイト卿は幼い頃から、酷い目に遇ってきた、
と聞いてはいた。

でも、今理解した。



メタナイト卿はカービィには同じ目に遭ってほしくなかった。

だから僕を_____





気付けば、涙が頬を濡らしていた。


その涙が、メタナイト卿の頬に落ちる。


僕なんかのために。

殺されそうになってまで。


メタナイト卿は、とても綺麗に見えた。





そして、幼き戦士は、彼女を守ると誓った。

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