小さく、か弱き者
ぽよ?
思わず自分の手を見る。
よかった。傷は治った様だ。
なんで………?
頭が動き始める。
ああ、そうか。
また やられたのか
恥ずかしくなって、カービィはうつむく。
また、初恋のあの人_____メタナイト卿に助けられたんだ。
なんで………なんで僕を助けるのだろう。
僕なんか構わずに、フーム達を助ければいいのに。
がちゃり、と扉の開く音。そして
「大丈夫か」
少し低めの、甘い声。
「めや………」
ちゃんと声が出ない自分が恨めしい。彼女の名前を呼びたいのに。
「無理をするな、紅茶を置いておくぞ」
そういって、部屋を出ていこうとする。
_____嫌だ、行かないで
気が付くと、彼女を後ろから抱き抱えていた。
メタナイト卿………
決して聴こえる事のない、心の声。
メタナイト卿はやれやれというように溜め息をつく。
「分かった、行かないから離してくれ」
初めて自分のしたことに気付いた。と同時に、頬が熱を持った。
「ど、どうした、カービィ?」
おろおろするメタナイト卿。今、彼女はリラックスする為か、仮面がない。
(その可愛さ、反則うううううう!!!!!)
カービィは倒れてしまった。
最後に聞こえたのは、彼女の声………………。
あれ?
また、ベッドの上。
ふと、横を見る。
「!?」
思わず、叫びそうになった。
看病してくれたのか、メタナイト卿が寝ている。
すやすやと、気持ち良さそうに眠っている。
_____僕に似ている_____
僕を護ろうとするのは、そのせい?
メタナイト卿は幼い頃から、酷い目に遇ってきた、
と聞いてはいた。
でも、今理解した。
メタナイト卿はカービィには同じ目に遭ってほしくなかった。
だから僕を_____
気付けば、涙が頬を濡らしていた。
その涙が、メタナイト卿の頬に落ちる。
僕なんかのために。
殺されそうになってまで。
メタナイト卿は、とても綺麗に見えた。
そして、幼き戦士は、彼女を守ると誓った。