あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: 麻疹騙り/投稿日時: 2015/02/11(水) 02:18:11
投稿者コメント:
今の今まで書き溜めてました。
一挙に終わらしにかかります(キリッ
EP.2-1 Encounter 1
気がつくと、僕は、見知らぬ街の中に立っていた。


……ん?

……立ってる!縦に立ってる!!


歩いている人間の顔が、僕の目線と、一直線に重なる。

目の前の景色は、畑にいた時よりも、遥か上の景色だった。


目線が高い!

今まで眺めていた、あの空も、こんなに……

……捕まえられるほど、近くに見える!


「うわぁ……!」


思わず、見とれてしまった。

無意識に、空に浮かぶ雲を掴もうとしていた。

それほど、近くにあるように見えたから――――


空に向かって、手を伸ばした。

「自分」の手。「人間」の手。


指や腕を曲げ伸ばし、曲げ伸ばし。

……おお、動くねぇ。うんうん。動いてる。動いてる!


……なんとも言えない気持ちがした。


下の方に目をやると、すらっとした長い脚が伸びていた。

脚!自分の脚!


周りの人間たちの真似をして、右足、左足、右足、左足。

……ゆっくり動かす。動く!歩いている!

自分の足で、地面を踏んでいる!


僕は今、世界中のどんなキャベツよりも、幸せに違いない!

いや、きっと世界中の人間たちと比べても、
僕に敵う幸せ者はいないだろう!

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