あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: テーリィ/投稿日時: 2017/06/24(土) 16:29:16
投稿者コメント:
個人的にはタチカビSRと毛糸は神曲が多いと思う。「ここ、この曲のほうがいいんじゃね?」という意見はぜひコメントで。
第8話:じぇいどじゃんくしょん
次の朝。
「本当にごめんなさい、カービィさん...こんなことに巻き込んでしまって」
「いいってば!こまったときはお互いさま、でしょ?」
「おーい!もう準備いいよ〜!」
「ほんと?じゃあ、しゅっぱーつ!」
《BGM:恋する黄色い☆ぶんぶるルン♪》
カービィはホイールロボボのハンドルを握り、大きな道路をゆく。目指すは「悪いやつ」がいるという、あの青い建物。
「前に通った道のりのはずなのに...なんだか、別の場所みたいだね」トレーラーの窓を眺めながら、かばんが言った。
もともとは草木が生い茂るジャングルだった所が、いまや電柱と奇妙な機械の森となっている。ツタのように見えたものは、すべて電線だった。
「早くあいつらに、パークを元にもどしてもらおうね!」サーバルは元気づけるように言った。
しばらくして、急にロボボがスピードを落とした。
「カービィさん?どうしたんですか?」
「前にくるまがたくさんあって...思うようにすすめないよ」

なるほどそこには見事な渋滞が起こっていた。先のほうで車が一つ一つ止められては、また走り出している。
「サーバルちゃん、なにが起こってるか聴こえる?」
「うーん...ちょっとざわざわしているけど、聞いてみるね」
サーバルはその大きな耳で、遠くで聞こえる言葉を捉え、そして読み上げた。
「えーと、『ご迷惑?をおかけしております。さくじつスティール?ストリートにて、要注意ゲン...ジュウ?みんのはっけんじょーほーが出されました。注意をよび、よび?かけると同時に、そのゲンジュウ民をかくま...っている者がいないか?調べております』」
「ええっ!!」カービィとかばんが、同時に飛び上がった。
「僕たち、『要注意』ってことにされてるの!?」
「しかもあそこでけんさされてるよ!もしあそこで見つかったら...」
「ど、どうしよう!」
三人は青ざめた。
「このまま別の道を行くわけにもいかないし...」
「ぼくが...なんとかきりぬけてみせるよ!」カービィは意を決して、ロボボを前に進めた。

「はい、止まって下さい」
“ワーカーズ”の機械的な呼び掛けで、カービィは車をとめた。
「えーっと...この画像と同じようなゲンジュウ民を、見かけませんでしたか?」
ワーカーズの見せたタブレットに、二人の絵が写っていた。一部はCGで補われているのだろうか、違和感を覚えるところもあるが、サーバルとかばんのことだと、はっきりとわかる。
「見てないよ?」カービィはけろりと答える。
「では...ここを通る目的は?」
「えーっと...ぼくたちまだこのしまがどうなったのかよく分かってないから、ちょっと一周するたびにでたんだ」
「......ぼく『たち』、ですか?同乗者は?」
「(...しまった!)い、いやぁその、ぼくつい最近までともだちといたからね、う、うっかりしてたよ!」
「なーんか怪しいな...ちょっとそのキャンピングトレーラー、調べさせてもらっていいですか?」
カービィはうしろの二人に目配せをし、それから――アクセルを思いっきり踏んだ。
《BGM:『タチカビSR』森林の戦い》
「こちらハルト監視局『ジェイドジャンクション』第2支部!不審なキャンピングトレーラーを発見!至急、増援を要求します!」
カービィは慣れた手つきで、ハンドルをきって車の間をすり抜けていく。
「わっ、なんだあの車!」
「監視局から急に飛ばしてきたぞ!」
少し進むと、突然車が一台も見えなくなった。
「逃げ切った...のかな?」
三人がそう思ったのも束の間...道路の脇から、何台かのカンパニーの車がサイレンを鳴らしながら後ろに出てきた。
「うわぁっ、うしろをとられた!」
車に乗ったワーカーズはみな、筒状のものを構えていた。
「カービィさん、右に避けてください!!」
やつらの放ったロケット弾が、こちらに向かって飛んでくる。カービィはかばんの指示で、ぎりぎりかわすことができた。
「少し左に!ちょっとスピード落として!あ、また右にです!」
四方八方から爆炎が上がる。しかし、ロボボとトレーラーは全てをかわしきった。
「くそっ、弾切れだ!早くリロードしないと...」
そのとき。屋根の上から、サーバルが思いきり敵の車の運転席に飛びかかった。
「えーい!」
「おい見ろ...あれ要注意のゲンジュウ民じゃないか!!」
「うわ、何をする!や、やめろー!」
中央の一台を運転していた社員はみな混乱し、スピンしながら他の2台にもぶつかった。
スピードを落としたロボボのトレーラーに、サーバルは再び飛び乗る。
「ナイス、サーバル!」
スピードをまた上げたロボボに...更なる試練が待ち受けていた。
「わわっ、なんだこれぇ〜っ!」
ハンドルがとられ、ブレーキも効かなくなる。先回りしていた社員が、どうやらオイルを撒いていたようだ。
しかもその先に――あの大きな河に掛かった跳ね橋が、開こうとしているではないか!
「と、止まらないよ〜!」
「なんとかしてよ、カービィ〜!」
「なんとかって〜っ!?」
カービィは河に差しかかる寸前、パネルの触ったことのない部分を苦し紛れに叩いた。
――予想外のことが起きた。
「なにあれー!たのしそ〜っ!」
すぐそこで鉄骨を渡っていたコツメカワウソが、目を輝かせた。

《BGM:『エアライド』エアライド:プランテス》
ロボボの底から、巨大なバネが展開される。トレーラーもろとも、大きく飛び上がったのだ。
「うわぁっ、なにこれ!おっきくジャンプしたよ!」
「すっごーい!!」
敵の1人からも、感嘆の声が上がった。
「あれ...“スプリングホッパー”じゃねぇか!!!」
「...なんだよそれ?」
「知らねえのか!?」レーシングカーに詳しいその社員は、とても興奮している。
「カーレースで、大胆な車線変更とか逆転を実装するために今開発中の装備だぜ!もう完成してたのかよ!?」
「...とにかく、それだけ凄いもんなんだな?」案の定、他の社員は呆れ気味だが。
ロボボアーマーとトレーラーは無事に対岸に着地し、追っ手から逃れた。

カービィは対岸で、ロボボのタイヤを洗ってやった。
「あのたてもの...ちょうど川のちかくにあったんだね」
青い大きな建物が、三人からそう遠くない所に鎮座している。
「よーし!待ってろー、悪いやつめー!」
ロボボアーマーはふたたびエンジンをふかし、敵の拠点のひとつへと向かった。

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