入れかわっちゃう話11
「 その話は…本当でいいのよね… 」
「 …………あぁ。 」
カービィの姿のメタナイトは仮面を外しながら軽く息を吹く。
「 このことは…絶対に言わないで欲しい、お願いだ。」
「 えぇ、分かったわ。」
フームは首筋に手刀をいれて気絶させたブンをおぶってから再びメタナイトを見た。
そしてドアに手を近づけた途端、音もたてずに扉が開く。
「 きゃっ… ? ………メグ? 」
「 うん、ちょっと遅くなっちゃった、えへへ! 」
「 ………………。」
黙りこみ下を向いてしまったフームをメグは感情の籠っていない目付きで見た。
「 あのね…メグ、前からあなたの名前に違和感があったの。その名前は結構前にメタナイト卿とカービィと私で卿をからかっててつけたあだ名よね?…覚えててくれたの? 」
その言葉がフームの口から出た瞬間、メグの手から短剣が振られた。それと同時に風のようなものがフームの目の前を通った。
フームはぎゅっと閉じていた瞳をうっすらと開ける。
「 メタナイト卿!? 」
「 フーム、逃げろ! 」
「 ふん、無駄に記憶力のいいガキめ。コイツから話でも聞いたか。」
目の前ではメグの手から振られた短剣を卿が室内の飾り物である重い長剣でおさえているといった状況だった。
「 や、はり、な。」
「 何がだ。」
「 貴様が陛下の魔獣配信システムを探っているところを見たのだ。」
「 ………っ! 」
「 私に隙があるとでも思ったか? 」
「 …………………。」
「 さすが裏を完全に写し取ったもう一人の私だ。」
一つの部屋に同じ声が響きわたっていて、フームは何が何だかわからない状態に陥っていた。
… もう一人の私?……
そう考えていると脇腹をふわりと掴まれた。
「 ……へ? 」
「 ちゃんとブンを抱いていろ。」
「 …うん。」
後ろを振り返ればメグも一定のスピードでメタナイトを追っていた。フームはブンを抱いている腕の力をより強めにした。
「 ここならよいであろう? 」
「 …いいだろう、いくぞ! 」
フームは大分離れた場所から2人の剣の振るう姿をじっと見ていた。
それはまるでカービィとメタナイト卿が手合わせをしているように見えた。
いつものように…
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次の次でラストです!(多分
終わるぞー!!
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