Report10・秘密結社
1
「うーん・・。これでもない」
ロジャーはそう呟き舌打ちをした。
「どうだ?まだ見つからないのか?」
テロ組織Zオリカビ共和国支部の司令官アレックスがたずねる。解読班達は静かに首を縦に振る。
「何を探しているの?」
ウェルスはブローニングに訊く。
「俺達はある組織を捜す為にあのメモリースティクを奪取したんだ。その名も秘密結社」
「秘密結社・・?」
「ああ。ロシア、アメリカ、中国の3大国のエリート達が創設した組織。世界情勢を裏で管理しているらしい」
「へ〜。でもどうして争いが頻繁に起こる世の中にしたのかな?秘密結社って」
ウェルスは疑問に思う。
「世界を再構築する為さ・・」
後ろからハヤブサがウェルスの質問に答える。
「賢いな・・・」
ブローニングが呟く。
「私も、秘密結社と一番関わりを持つ極秘施設に囚われていました」
ハヤブサの隣にいたエミリーが言う。
「ああ!なんでお前がエミリーを!?」
ウェルスは驚いた。
「悪いね。エミリーは貰ってくよ」
ハヤブサは言う。
2
「ようし・・。見張りの奴ら寝てやがる!」
ハヤブサ寝ているZの見張りに兵に向かいクスクス笑う。
「ゴメンね。私のわがままにハヤブサを巻き込んじゃって」
エミリーは申し訳なさそうに言う。
「あった!秘密結社の極秘データ!やっぱりこのメモリースティクに隠されていたんだ!」
ロジャーは歓喜をあげる。周りもハイタッチなどをして喜んだ。
「良かったね!でも私には関係ないわね」
花音は言う。今すぐにでも帰りたい表情をしている。
(そういえばハヤブサの奴、もうすぐ帰るというのにどこへ行ったんだ?)
ウェルスは思う。
3
「脱走だ!エミリーとハヤブサの奴!」
マチェテとクレイモアが焦ってブローニングに報告する。
「可愛い女の子連れてドコへ行きやがるでござるかww」
「ともかく捕まえろ!ウェルス達も手伝ってくれ!」
ブローニングはウェルスと花音に助けを求める。
「はい!」
二人も探しに出る。ウェルスはエミリーをハヤブサに盗られたせいで激怒していた。