ノート0.5ある国のおとぎ話
{今日はこれでおしまい…}
優しげな顔をして、美しい金髪を結った、お母さんがいます。その横で、お母さん似の女の子が言いました。
{さいご、おーかみさん、死んじゃったの?}
読んでいたのは、3匹のこぶた。
ふふっ、とお母さんは笑い、答えました。
{さあね……キャメル、もう寝なさい}
{はぁい}
その子は素直にベッドにつき、お母さんに頭を撫でてもらい、眠りに就きました。
{キャメルなら、あの子達を助けてくれるわ……}
お母さんは、呟きながら、女の子の部屋を出ました。
女の子は月明かりに見守られ、スヤスヤと、眠っています。
独りになる心配は、この時はなかったのです。
数年後____¨女の子の部屋は荒らされていました。
犯人は、女の子。
その子は、笑っているような、泣いているような、でも、笑っているような顔で、濁った空を見上げていました。
いつまでも、見上げていました。
いつまでも。