温かいもの
[温かいもの]って何だろう。僕はふと思う。
凍りつほどの寒さ。雪もしんしんと降っている。
僕にとって、温かいもの。
鍋物とか?
キムチ鍋。ちゃんこも好き。
あっつあつのおでんもいいな。
おでんといったら大根だね。
カイロとかも温かい。
貼るカイロっていいよね。
やっぱりこたつ。グーイと一緒にみかんを食べたいな。
運動もいいよね。雪合戦。
スケートもスキーもみんなと遊びたい。
「ねぇ、アド、[温かいもの]って何?」
こんな日にも外で風景画を描いている、アドレーヌに問いかける。
「温かいもの?」
「うん。」
アドレーヌは必死に考える。
「えっと、えーと…ココアかなぁ?」
僕が思いつかなかった答えに、感心した。
「なるほど、ココアも温かいよねー。」
「あ、そういうわけじゃなくて…」アドレーヌは急いで訂正する。
「え?じゃあ、何。」
「一人より、みんなで飲むココアの方が、美味しくて温かくない?」
アドレーヌは、冬に夏のひまわりのような笑顔で言った。
僕は少し顔が熱くなった。
「…うん、そうだね!」
雪は今も、しんしんと降っている。しかし、二人の周りは暖かかった。
〜end〜