魔法のカービィダンス☆
_今日は4月27日。
「…はぁ…。疲れたなぁそういえばカービィイラスト描けてない…。」
ともの家族は、その日が旅行から帰宅する日だった。
そして夜遅くに帰ってきた。カービィイラストなんて描く暇すらなかった。
眠い目を擦りながら時計を見ると、午後10時を過ぎていた。
「あーあ…。もう寝るか…。」
何もせずにともは、何きなく布団に入って、顔をうずくめた。
何時ごろだろうか。ともは急に目が覚めた。
しかし時計を見る気はなく、そのまま寝ようとしたが、眠れない。
何かが僕を呼んでいる__。
ともは、とっさに窓の外を見た。
そこには、ピンク玉、いいえ、カービィがいた。
しかしともにはピンク玉にしか見えていない様だ。
それは当然、寝ぼけているからだろう。
「きっと夢だよね…。幻覚だよね…。」
くだらないことを言って、ともは布団に入ろうとした。
その時だった。
「ぽよーーっ!!」
カービィの甲高い声が部屋に響いた。
「えっ!?…いいやこれは幻聴!?」
ともは大きな声で、目を見開いて言った。
もう眠気なんてない。
前にある光景を理解するのに時間がかかった。
しかし、ともはカービィの話を聞くことにした。
しかしともが何も訊かなくても、なぜだか、カービィが何を思っているのかわかった。
カービィは少し真剣な顔をしていた。
「……そうだ!お腹が空いてるんだ!!」
「ぽよーーーっ!!」
カービィは手足をばたつかせて言った。
「しっ!カービィ、静かに。」
カービィを落ち着かせて、ともは真っ暗な台所から、ドーナツを一つ持ってくることにした。
「カービィ、少し待ってるんだよ。」
「はぁい!」
「そういえばこの前、あかねちゃんとこのドーナツ買いに行ったんだよね…。」
暗闇の中、呟いた。
ドーナツを持ってくると、またもやカービィは飛び跳ねて喜んだ。
ついでに、カービィダンスもお披露目してくれた。
ともは思わず、拍手した。
ともはカービィにドーナツをあげると、一瞬にしてカービィはドーナツを吸い込んだ。
「ぽよ、ぽよぉ!」
「美味しいんだね!」
これが夢でないことを、ともは実感した。
しばらくカービィとふれあい、いきなりカービィが何かを伝える目になった。
「か、カービィ、どうしたの…?」
やはりカービィが何も言わなくてもわかった。
「プププランドを…救えるのは…、、、ぼ、ぼくしか、、いない…?」
「…ぽよ…。」
カービィはゆっくり頷いた。
しかしともは、正直断ろうと考えた。
しかし大好きなカービィだ。断るわけには…。
戸惑いに、ほおに汗が流れた。
しばらく沈黙が続いたが、ともは、目を見開いて、緊張した様な口調で言った。
「ぼ、、僕、頑張る、、プププランド、、救う…。」
「ぽよっ!」
カービィは、ホント!? と言っているようだ。
そしてもう一度、カービィダンスのお披露目。
もう一度、ともは笑いながら拍手した。
__カービィダンスは魔法だ…。もう緊張なんてない。
ともはワープスターに飛び乗り、プププランドに行った。
どうやらカービィが2つ用意してくれた様だ。
「これ、どうやって操縦するの?」
カービィの目つきでわかった。
「…思うままに飛んでくれる…だって?」
カービィはまたもや頷いた。
「そうなんだ…。がんばるね」
カービィは、いくよ!と言っている様だ。
そして2つのワープスターは出発した。