おかしなカービィ
今日もぽかぽか、いい天気。
ここは呆れ返るほど平和な国、プププランド。
ぽてぽてと足音を鳴らしながらそこの小道をお散歩しているのは、星のカービィ。
ご機嫌で鼻歌まで歌っている彼は、この国、いや、宇宙までもを何度も何度も救ってきた、百戦錬磨の勇者なのだが、本人にその自覚はない。
そんなカービィの前に、バンダナワドルディが通りかかった。
「あ!ばんだな〜!」
カービィは親友を視界に捉えるなり、元気よく飛び跳ねて、「おはよう!」と挨拶をした。
「えっ!?カービィ、どうしてここにいるのっ?」
バンダナワドルディは琥珀色の目をまんまるにして、叫ぶように言った。
「どうしてって…、おさんぽしてるだけだけど…?」
思ってもよらなかった反応に、カービィもまた、碧い目を丸くした。
「あれ?そうなの…?おかしいな、昨日からお城で寝てると思ってたのに…」
「ぼく、きのうはおうちでねたよ」
「ええっ?お城に泊まっていったよね?」
「ううん。とまってないよ」
「う〜ん…、そうなの……?」
バンダナワドルディは不思議そうにカービィを見て、
「じゃあ、昨日のきみは、誰だったの…?」
と呟いた。
「どういうこと?」
と、カービィが尋ねると、バンダナワドルディが説明してくれた。
「あのね、昨日のきみは、なんだかおかしかったんだ。なんだか…、ロボットみたいな受け答えしかしないし、ボクや大王さまのことを知らなかったし…。でも、見た目はきみにそっくりだったから、何か変なものでも食べたのかも知れない、って大王さまが心配してね、一晩きみをお城の一室に泊めることにしたんだよ。だから、さっきまできみはお城にいたはずだから…、どうしてここにいるんだろ、って思ったんだ」
「ふーん…、でででがぼくのことをしんぱいしたの?」
「うん、それぐらい、昨日のきみは、かなり様子がおかしかったんだよ」
それを聞いて、カービィは少し考えたあと、口を開いた。
「…それ、ぼくじゃないとおもう」
「…やっぱりカービィもそう思う?ボクも、そうなんじゃないかって思ってた」
「なんだか、いやなよかんがする…。ばんだな、いっしょにおしろにいこう!」
「うん!」
そうして2人はお城に向かった…。
続く