あしかのらいぶらりぃ
はじめにお読み下さいこの小説を修正する最近のコメント・評価キーワード検索
設定メインページに戻るサイトトップに戻る
大 中 小
執筆者: ロウ/投稿日時: 2011/09/17(土) 16:32:17
投稿者コメント:
急に小説が書きたくなったので書いてみました。
この世界観は少しハルさんの世界観を使っています。
もちろんハルさんには承諾は受けました。
失われた左翼 上
ここはプププランドの上空にある村「エンプティクラウド」
この村は一言で言うと雲の上に作られた街である。
そして、この村にすむ人々には、ある特徴があった。それは「背中に翼がある」ということである。
地上に住む人はこの村の人々を『空の民』と呼んだ。
空の民にとって両翼は命であり、シンボルでもあった。
『彼』もそうだった…。

彼の名前は『ロイス』、空の戦士団で働いている青年である。
赤い体に緑の足、頭には冠といった格好である。
武器は銃鎗「グレイブ」と言う武器を持っている。
背中にはオレンジや青といった両翼があった。
その時までは…。

それはちょうど仕事を無事に終えた、ある曇りの日のことであった。
「今日も上手くいった…。」
ロイスはゆっくり空を飛びながら基地に帰っていた時であった。
仕事が無事に成功し、気が抜けていた。

そのとき、ロイスは背後に何者かの気配を感じた。
「誰だっ!!」
彼が後ろを振り向いたとたん、彼に驚きと激痛が走った!!
彼は痛みに耐えられず、そのまま倒れこんでしまった。

彼が起き上がるとそこは倒れる前と何も変わらない雲の上だった。
「なにがあったんだ…。」
その瞬間、彼の背中に違和感があった。
自分の背中にひんやりと感じる感覚に恐れを感じた。
ロイスは恐る恐るその正体を見てみた。
そのとたん、彼は言葉を失った。
さっきまであったはずの左翼がなくなっていたのである。
「そ、そんな…そんなはずは…。」
自分でも自分の目が信じられなくなっていた。

数時間後、彼はこれは本当なのだと感じた。
ここで彼はあることを思いついた。
「たしか片翼でも飛行感覚さえあれば空は飛べるはず…。」
彼はいつものように羽に力を宿し離陸を試みた。
しかし、彼は空から見放された。
いつも飛んでいた空に…。
彼には飛行感覚さえもなくなっていた。
「嘘だ…。こんなの、嘘だ!!!」
彼は空に叫んだ。

数時間後、彼は仲間によって発見された。
基地についたとたん、空が飛べなくなったことを団長に語った。
しかし団長は、
「飛べない戦士がここにいると思うのか?」
その言葉を聞いたとたん、彼は認識した。
『クビ』だと…。

彼は途方に暮れた。
街を歩いても笑いものになるようになった。
ガラスに映る自分の姿が情けなく思った。
彼は裏口に追いやられた。
彼は焦燥に駆られた。
「今の俺には、こんな片翼なんてただの飾りじゃねぇかよ!!」
そのとき、彼のもとに声が届いた。
「そこの君、そんなに怒ってどうかしたのですか…。」
そこには一人の男がいた。
年は20〜30ほど、服装は羽根つきの三角帽子、閉じている目、竪琴という、不思議なオーラを漂わしている男性だった。
ロイスは意表をつかれた。
そこに人がいることなど知らなかったからである。
「あんた、誰だよ…。あんたも心の中では笑ってんだろ!!!!!」
ロイスはその男に怒りをぶつけた。
今の彼にはそれしか出来なかったからである。
「笑うも何も…。君は何か嫌なことがあったみたいだね。よければ詳しく聞かせてくれないか?」
ロイスの怒りはいつの間にかなくなっていた。
男の問いかけを断ることもなく、話し始めた。
「俺は、左翼と飛行能力を何者かに奪われた。……。」
ロイスが語ることをしっかりと聞いているその男は話が終わるとこのようにいった。
「なるほど、たしか君のその話にそっくりなことが空の民に伝わる神話の中にあった。聞いてくれないか…。」
ロイスは自分に起こった事件の手がかりになると思ったので、聞くことにした。
「これは今から150年ほど前…。」
その男はこのように語った。

今から150年ほど前、一人の男が空を飛んでいた。
その男は背後に違和感を感じ振り向いた。
すると、自分にそっくりな、まるで影のような存在がそこにいたという…。
影はその男から両翼を奪っていった。
影に両翼を持っていかれた男は、煙の如く消えていったと…。

ロイスはあのときを思い出した。
「あっ、あの時!!」
それは、彼が背後を振り返ったとき、彼も自分にそっくりなものを見て、膠着していたことを…。
「やはりか…。」
男は、ロイスの言葉に驚くこともなく、そのことを受け止めた。
「この話によると、影は本物の存在を消すために現れ、自分が本物になるために奪いに来ると書かれてある…。
君はまだ片翼が残っている…。まだ恵まれているというわけだ…。」
「そうか…。そう、だよな…。ありがとな。」
「そういや、あんた名前は何だ?」
「確かにそうだったな。私はバード。しがない吟遊詩人さ。」
「ふ〜ん。俺はロイス。これからもよろしくな。」
「あぁ。」
ロイスはバードという男に別れを言い、表へ出て行った。
「待っとけよ影!!俺の羽を返してもらいに行くからな!!」
その声に光があった。


そのころ、空の上では…。
「やっと見つけた…。僕の羽…。待っててね。すぐに迎えに行くから…。」

To be Continued !!

この作品についてのコメント/評価 (1)
 次の話へ 
(c) 2010, CGI Script by Karakara