1.出会い
あの頃からどれくらい経っただろうか。
僕がかつて裏切った仲間たちも、だいぶオッサンになった。うち一人は老衰で亡くなってしまった。
今のアイツらは、かつてのように強くはない。今、もし僕が王冠を手に入れたのなら、この星を支配するのも容易いことだろう。でも、それは本当の幸せではないとアイツらと暮らしてて感じたんだ。そう感じてからは、あの時、あんなことをしたのを後悔している。
「貴方はそのうち不幸になるわ。」
ふと、誰かの声が脳内に響く。少し中性的で不思議な魅力のあるハスキーヴォイス。僕は過去のことを思い出す。そういえば、僕にはもう一つ後悔していたことがある。僕がアイツらと出会う前のことだ。
僕は昔、此処に来る前に違うところに住んでいた。ある日、そこに一人の旅人がやってきた。
「何をしているの?」
こんな文明の廃れた惑星に観光客なんぞ珍しい。あるいは、遺産目当てだろうか。僕はただ、
「ぶらぶら歩いてるだけダヨ。」と答えた。あら、そう、と彼女は言い、それから、
「ずいぶんと歴史のある素敵なところに住んでいるのね。」
私はジネヴラ、よろしくね、と続けた。僕はただ頷いて反応しただけだった。