リース編
ある休日…
アリス「それじゃ、頼んだよリース」
リースは母のアリスにお使いを頼まれた。
アリス曰くサマーフェスティバルの準備で忙しいから代わりにお使いに行ってほしいということだった。
リース「分かったよ、まま!」
ままの頼みとなれば断るわけにはいかない。
やる気に溢れ、アリスから買い物袋を受け取り、城の外へと出た。
今日は陽が射しており、快晴なこともありどの兵も人も
顔からは汗が垂れている。
涼し気なワンピースを着たリースでも汗が見える。
リース「うっ…」
しかし、リースにとって問題なのは暑いことではない。
普段からままに甘え、近くにいないと泣いてしまうのだ。
ままがいないことによる不安と寂しさがリースの心をどんどん沈ませていく。
リース「そうだ!」
ふと思いつくと、袋から筆を取り出し、ままの絵を描く。
リースが魔力を絵にかけると、まま、つまりアリスの絵が実体化する。
絵でもままが近くにいれば不安になることも寂しくなることもない。
これで再び前に進めるようになったリースは更に目的地へと進む。
しばらく進むと目的地であるお店に到着した。
しかし、ここでもまた問題が起きる。
リース「…あれ、なに買うんだっけ?」
アリスは「くっつけるための接着剤が欲しい」と言ってたのだが、
不安になりかけたことや絵を描いてたことですっかり忘れてしまっていた。
「ねえ、これでいいの?」
リースが何買えば良かったのかを一生懸命思い出そうとしていると、違う所から声が聞こえた。
「うん、その接着剤でいいよ」
親の人と思われる一言でリースの絡まっていた糸が一気にほどける。
リース「そうだ!私、接着剤を買いに来たんだった!」
接着剤を手にし、レジで買い物をすましまた戻る。
帰りもまた、ままの絵を描き不安にならないようにして城へと戻る。
リース「ただいま!」
部屋に戻ったリースの第一声はとても大きく、誇った声でした。