〜 プロローグ 〜
「…ちゃん。なつ…み…ちゃん…」
誰かが私を呼んでいる…
一体、誰だろう…?
私は『桃夢 夏実』。
田舎町に住む、吹奏楽部所属のごく一般的な中学2年生。
小学生の頃から『星のカービィ』が大好きで、今でもカービィが大好き。
今日はたまたま、学校も部活も休みなので、家でゆっくり過ごしている。
枕元に二冊の漫画本がある…『ロックマンメガミックス』だ。私のお気に入りの漫画本である。
私は、枕元にある『ロックマンメガミックス』に手を伸ばし、掴んだ。
表紙には、ロックマンを真ん中にした、カッコイイボスキャラが沢山。
<有賀先生は本当に凄いなぁ>そう思いながら、読み始めた。
小学6年生の頃に買ってもらったカービィのぬいぐるみの横で…
午後4時23分…気が付いたら私は寝ていた。
目がパチっとしたように見開いていた。いつもはそっと開けていたのに。
うつ伏せになろうと体を動かしたら、何かに触れた。
きっと、ぬいぐるみなんだろうな…。
そのぬいぐるみに手を付けたまま目を閉じた。
何か聴こえる。
それと共に鼓動がトクトクと…
<きっと兄だな。>そう思って布団を思いっきり上げたら…
見たことのある桃色の球体が、キュートな寝顔で寝ていた。
私は戸惑った。
そう、
{カービィが眠っていた}