プロローグ〜悪夢〜
「秋桜しっかりしてよ!」
「秋桜っ!」
「「「「「秋桜ッ!!!!!」」」」」
どれだけ彼女に向かって叫んでも、届きはしない…。彼女は闇の中で眠っていたのだ。
*
しばらく経つと、秋桜は何か夢を見ていた。
『……このまま…私が消えれば全てが終わって…平和になれる…楽になれるんだ………』
『…………さよなら』
秋桜は何かの台みたいな所で生贄にされかけていた。そんな姿を見て必死に止めようとするが、彼女は止めようとしない。しかし…
『…あれ……私…生贄になったんじゃ……』
『……! そんな…どうして………!!』
秋桜は何故か謎の装置らしきものから離れていた。逆に、その装置の方にいたのはなんと…………
メタナイトだった。
『メタナイト様…? 何…してるんですか…』
『見れば分かるだろ……。私がそなたのかわりになってるのだ………』
『そんな…どうして!? 私は、償うべきことをする為にするんですよ! それなのに…どうして………!』
メタナイトは即答で『私にも償わなければいけないからだ』と言う。
『償うって…まさか、あの時のことをまだ考えていたのですか…!』
『…………………』
『答えて下さい! メタナイト様ッ!!』
『…私は、仲間を救いたいのだ』
『……それって、もしかして』
『ああ。………を取り戻す為に…』
メタナイトは目的があり、それを果たし、支えて行くという気持ちでこの決意をした。そんなことも考えずに生贄にされようとしていた秋桜にとって情けなく思ってしまった。
『だが…もし、私に会えなくなったら…その時は……』
『その時はなんですか!』
メタナイトの体が光のように透け始める。
『そなたの……で……を…………』
『メタナイト様! メタナイト様あああぁぁぁぁ!!!!!!!!!』
そして、メタナイトの姿は消えた。最後に伝えようとしていた言葉も言えずに消えてしまった。
『いっ…いやああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!』
「……桜ッ! 秋桜ッ!!」
「はっ…!?」
「良かった…気がついたみたい…」
「…私は今まで………」
さっきまで秋桜は悪夢を見ていた。しかし、それがただの夢なのか、本当に起こり得ることなのか分からない。
「なんかうなされてたけど大丈夫?」
「悪い夢でも見たのか?」
「…あ、いえ大丈夫です……」
(あの夢…それが本当だったら……)
秋桜の見た夢から悪夢はもう始まっていた。そして、別の場所でそれが勃発していることも………。