蒼き魔獣
カービィが魔獣を倒してから数年ほどたった。人々はあの恐ろしいナイトメアを忘れかけていた。城の中庭に、噴水がある。そこに居るのは、青い髪の剣士。実は彼女こそがかの銀河大戦の時に活躍した星の戦士の数少ない生き残りである。
彼女は溜め息をついた。
「私はいつまで生きればいいの?」
その声に答えてくれる者は今、此処にはいない。
彼女ーーメタナイトの鎧に滴が落ちる。
いつの間にか降りだした雨が彼女の頬を濡らす。メタナイトは居た。冷たく、黒い雨の中に。
「ねぇー、めや、あやくいよー」
舌足らずなカービィの声が剣士を呼ぶ。
「大丈夫だ、カービィ。遊園地は逃げないぞ」
今日はあのデデデから休暇をもらったのだ、こんなチャンス二度とない!、と部下のソードナイトとブレイドナイトが後押ししたのもあり、カービィを含めた四人で遊びに来ている。
ジェットコースター、観覧車、お化け屋敷ーー。カービィは一通り遊んで、満足している。メタナイト卿も、メタナイト卿なりに楽しんでいるようだ。しかし、メタナイト卿は少し考えていた。お化け屋敷にいたとき、誰かが自分の体を触っていったような気がする。
(まぁ、お化け屋敷だからな。何かしら仕掛けがあっても仕方がない)
四人が楽しんでいるうち、日がくれてきた。四人は物足りなさそうだったが、デデデ達に説教を食らうので帰るとする。
〜城〜〜
※ここからはセリフがややこしくなるので、「」の前に名前をつけます
メタ「楽しかったな、カービィ」
頬を紅く染め、少し息を切らせて言うメタナイト卿と、
カビ「ぽぉーよお♪」
と上機嫌なカービィ。二人のかわいいやり取りに、思わず微笑むソードとブレイド。
ソドブレ(卿かわいい)
メタ「今日はもう遅いだろう、泊まっていきなさい」
カビ「めや、いっしょ?」
メタ「あぁ」
先程から、メタナイト卿と会話しているのは、次世代の星の戦士カービィ。ちなみに、メタナイト卿とは同種である。目印は、二人揃って右にピョコンとはねている癖毛。
メタ「だから、フームとブンに伝えて来なさい」
カビ「ふーむ、ぶんぽよ?」
メタ「そうだ、今日は私の部屋に泊まる、と」
カビ「あいあいさー」そう言って彼は駆けていった。
そんな彼をメタナイト卿は金色の瞳で見つめる。メタ「若いな……」
ソドブレ「???」
彼らは意味が分からなかった。しかし、(一応)頭がいいブレイドナイトは気が付いたようだ。
ブレ(卿はカービィ殿に若いときの自分の姿を見ているんだ……)
メタナイト卿が立ち上がった。
メタ「そろそろ城の警備だ。ソード、ブレイド、行くぞ」
ソドブレ「は、はい!!」
まだ、卿の考えていることはまだよく分からない。しかし、今は彼女に従うのみ。二人はそう思った。
続く