あしかのらいぶらりぃ
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執筆者: 沢庵/投稿日時: 2015/10/21(水) 19:20:19
投稿者コメント:
出演者は、ダークマターと、チリー等です。カービィは出てきません。
満月が見えるマンサルド
???「…ふう。今日も実に良い実験だったよ。医者」

医者「そうですか…ダークマター」

ダークマター「…確か、今回の実験は君の友人が対象者だったな?まさか、後悔なんてしているんじゃないんだろうな?チリー」

チリー「いいえ。とんでもない。…昔の話をしましょうか」

ダークマター「珍しいな。君がそんな事を言うとは…」

チリー「そういう気分なんですよ。まあ、少し長いですが良い酒のおつまみには、なるんじゃないんですか」

ダークマター「聞かせてもらおう。君の過去には実に興味がある」

チリー「それでは…


私の家庭の状況は最悪でした。まあ、簡単に言うと私の父親は医者で、幼い頃から、医者になれとしか言われませんでした。まあ、医者になれと言われてなれる職業ではありません。
そんな訳で、父親からのスパルタ教育が日常茶飯事でした。

そんなある時、私には、学生時代、夢が出来ました。

警察官です。

私は父親に医者ではなく、警察官になりたいと話しました。しかし、あいつは、『お前は、私の言う通りにしていればいいんだ!(チリーを殴る)まったく、余計な事を言っている暇があれば勉強しろ!』

この事は、友人にも、話せませんでした。私の唯一の居場所は、自分の部屋だった屋根裏部屋。僕はカッコつけてこう呼んでいました、[マンサルド]と…

私は、少し前、本を読んでいました。私が通っている学校の歴史です。何故なら私は、とある噂を耳にしたんです。

それは、学校の七不思議。まあ、どこの学校にもありますね。…最近はあまり聞きませんが。
私の通っていた学校でもありました。しかし、他と違うのが、ある日にちの夜にのみ、それが発生すると言う事です。
まあ、本当かどうかは分かりませんが…

その七不思議の内の最後の1つに興味深いのがありました、この学校の敷地内にある、使われなくなった神社に、いくつかの白骨死体を埋めて、死んだばかりの生命体を神社の中に置く。そうすると、その中にある残留思念が霊体化する、そしてその霊体化したモノは、その、死んだばかりの生命体に入り込み、相手に関係無く呪ってしまう。そして、呪われた者は、この学校の中で彷徨い、自分と同じ仲間を求めていると言う事らしい。
まあ、誰かが、七不思議の元凶を考えて冗談混じりで噂を広めたと思ったのですが、僕は真相を知りたいと考え、学校の歴史を調べる事にしました。

まあ、何もありませんでした。読み終わった時は気にしてませんでしたが、父親に疑問を抱いた時、この七不思議の1つを完成させたいと思いました。


私は、警察官になりたかった。しかし、私はある人物に対して恨んでいたのです。父親もそうですが、他に…殺したい程恨みたい奴が。

そんな時、あなたに会ったのです。私の人生の中であなたに会えた事は私にとって大きく人生が変わりました。」

ダークマター「そうか…懐かしいな。私も、良い選択に導かれたと思うよ」






昔…

ダークマター「…クソッ!実験したい事が多いのに、まず、実験台が手に入らない…こうなったら、手当たり次第に、連れ去って実験台にするか…もう、この際、誰でも良い。…見つけた。おい!貴様。こっちへ来い」

チリー「私ですか?まあ、構いませんが…」

この時の私は、まさか、路上でサイボーグ手術をされるなんて夢にも思っていなかった…

チリー「私を…実験台にするんですか?」

ダークマター「まあ、運のツキとても、言うのかな。私がサイボーグ手術で成功する確率は1%にも満たない。しかし、失敗は成功の元だ。我が実験の糧となれ!」

チリー「待って下さい!もし、私を実験台にしなかったら、提供しますよ。実験できる環境を!」

ダークマター「ほう…?しかし、私が欲しいのは環境じゃない。実験台だよ。君みたいな…」

チリー「私は、医者の息子です。私は、いずれ、病院を任されます。その時に、もう助からないような患者をあなたに渡します。そうすれば、実験台をリスク無く提供出来ます」

ダークマター「…貴様。その患者の気持ちをどうするんだ?」

チリー「もう助からないんですよ?ただ死ぬよりは、あなたの実験台にさせた方が、役に立ちますよ。その患者共は」

ダークマター「この国にも、こんな考え方をした奴がいたとはな。驚きだよ。君みたいな奴がいれば、この国は、私にとって素晴らしいモノになったのに…よし。君を実験台にするのをやめる。しかし、条件がある。これが出来なきゃ君を実験台にする」

チリー「はい。分かりました」

ダークマター「今すぐ、私を実験が出来る環境を整えてくれ。今の話を聞くと、現実味が少し足りないのだよ。君が病院を任せられると言うのも信じがたいし、それは、いつの話になるか分からないだろ?これは証明だ。君が本当に信用できるかどうか…」

チリー「そういえば…今はまったく使われていない地下室がありました。そこなら父親にも、ばれません。行きましょうか?」

そして、私達はとある病院の地下室に…

ダークマター「クックック…素晴らしいな。さて…褒美だ。君も私に条件を出したまえ。出来る範囲の事ならする」

チリー「それでは…学校の七不思議について、お願いしたい事が…」

私は彼に、白骨死体を要求した。理由は勿論、七不思議の1つを完成するため。…いや、これはもう儀式だな。私は儀式を完成させたかったのだ。

ダークマター「なるほど…白骨は無理だが、実験台の失敗作の死体なら問題ないと思う。死体は学校の校庭にでも、埋めて白骨化させろ」

チリー「その白骨死体に、絶対に入れておきたい者が一人いるのですが…」

ダークマター「誰だ?」





チリー「カプセルJ2と言う者です。彼を実験でもなんでも良いので、殺してください。何なら、家族だって…」

私の一番恨んでいる者は、私の父親ではない。

私の好きな人の隣に、ずっと居やがるウジ虫だ。

私は、好きな人がいた。

私は好きな人の近くに居たかった。私の好きな人もきっと、私の近くに居たかったはずだ。だって、私が好きだったのだから…

だが、カプセルJ2と言う名のウジ虫が、私と彼女の関係を切ったのだ。

私の好きな人は、何故かカプセルJ2と居る時が一番笑っている。

何故、私に向けてその笑顔をしない!

私だけの好きな人が…彼女が…

そうか…カプセルJ2とは幼馴染だから…いや腐れ縁だからしょうがなく、彼女は話しているんだな。君は優しいな。

ああ…僕も君と同じ気持ちだよ。

殺してやりたいほど…憎いよな…ウジ虫って

やっと、願いが叶い、僕達は結ばれる運命なんだ!


現在…

ダークマター「愛か…愛は、やはり、私には不要だな。人の精神さえも変えてしまうからな」

チリー「…ええ。そうですね。今、思うと愛なんかに縛られていた自分に後悔していますよ」

ダークマター「確か…その後、カプセルJ2は君の要望通り、白骨死体にさせたんだっけな。そして、ある時ついに、君の儀式が行う時が来たんだね」

チリー「ええ…白骨死体を、前日に神社に埋めて、彼女を呼び出したんです。彼女は嬉しそうに…僕の所へ来たんですよ。」





少し昔…

女性「やっと、家から抜け出したよ…さあ、教室に行こう!」

チリー「…人はいずれ死ぬ。それが、当たり前です。当たり前なのに、いざ、死ぬ事を考えると辛くなります。自分だけではなく、大切な人が失った時でも…」

女性「そうだよね…(涙を浮かべる)」

チリー「私は失いたくない。大切な人を…ねえ、知ってるかい。この学校の七不思議」

女性「え?七不思議?」

チリー「ああ…その七不思議の1つが、この学校の敷地内の神社の事なんだ」

女性「そうなんだ…それが、どうかしたの?」




チリー「私は、あなたの事が好きです。ここで、一緒に死にましょう。そして…永遠に二人でこの学校で過ごしましょう」

女性「え?…チリー?」










私は女性を、隠し持っていた包丁で刺した。

なるべく、傷を付けないように。

女性は、泣いていた。

…これは、嬉し泣きだ。

嬉し泣きなんだ。

そして、女性は、動かなくなった。


さて、私も早く死なないと…彼女が寂しがるからね。

そして、私は自分を刺した。

痛いと言うよりも、焼ける感触だった。

そして、金属の冷たく、鋭い異物を抜き取った。



彼女と、この学校に永遠に過ごしたかった。

二人で、デュエットをしたかった。二人だけの音楽を奏でたかった。



私は目覚めた。病院で…

チリーの父親「おい、起きたか」

チリー「お父さん…」

チリーの父親「…お前は私に泥でも塗りたいのか?つまり、私の経歴に傷が付く…私に全て話せ」

チリー「どう言う事ですか?」

チリーの父親「どう言う事も、何も、貴様!自殺しようとして、何を澄ましている!これが、バレたら私は終わりだぞ!何故だ?何故死のうと思った!」



何故、私は生きている。

ダークマター「デカチリーさん。落ち着いてください。私達、警察だって、騒ぎを起こしたくないんです。…分かりますよね」

チリーの父親「おお!金ならある!いくらでもある!私の経歴に傷さえ付かなければそれで良い!この自殺未遂を隠蔽してくれ!」

ダークマター「はい、上の者にちゃんと連絡しておきます」

私の父親は去っていった…

チリー「ダークマター!どうして!?」

ダークマター「私は実質、今、警察を動かせるからだ。まあ、脅してだけどな。さて…分かったか?愛なんてモノはただの空想だ。必要のないモノだ」

チリー「ええ…分かりましたよ」



彼女はどこへ逝ったんだ?

…分からない。だが、私は取り返しのつかない事をしてしまった。

この時、私の心は、彼女と共に、何処か遠くへ消えてしまった。

彼女がいないのに、涙が出なかった。

自分が分からなくなる。

ダークマター「おい。行くぞ!お前は私の計画に存在不可欠だ」

チリー「はい」

だが、そんな事はどうでも良い。とりあえず、自分が何をするべきか分かるまで彼についていこう。



現在…

ダークマター「なるほど…それで、過去とは、打ち切ったのかな?」

チリー「ええ…もちろんですよ。友人も、恋も、懐かしささえ感じません。そういえば、今日は、満月ですね。この場所だと良く見えやすいでしょ?」

ダークマター「ああ…そうだな。確か、ここは、君の家の屋根裏部屋であり、過去の思い出が詰まった部屋だったな。ここは、満月が見えるマンサルドだ。実に良い場所だ。…君にとってここは何だ?」

チリー「まあ、『元、私の居場所』ですかね。だが、この場所も、もうすぐ取り壊しますけどね…」

ダークマター「…さて、行くぞ!やるべき実験は、まだまだある。我々生命体はいずれ死ぬ。命が尽きるまで、実験を行う。他の命が犠牲になっても!」

チリー「そうですね。ここには、もう用はありません。過去等、ただの記憶です」



しかし、私は思い出すのだ。

彼女の戻らない笑顔を…




あの時の後悔を…



満月が見えるマンサルド 完

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