死の儀式
仲間1「おい!トイレってどこにあるか分かるか?」
仲間2「知らん。それよりも、任務前にトイレは済ませろよ。俺達は、失敗したら、この世には、いられない職業なんだぜ?っておい!勝手に行くなよ!カプセルJ!」
私の名はカプセルJ。
…暗殺者だ。とは、言っても何処かに所属とかしている訳ではない。私達は、金のみで動く。まあ、フリーの暗殺者と言うべきだな。
仲間1「お前、何、ぶつぶつ言っているんだ?まったく、無口な奴は、何考えているか、分からんぞ」
こいつの名前は、スクイッシー。
…私は奴ほどの天才を見た事がない。そして、奴ほどの変人を見た事がない。
仲間2「私語は慎め!スクイッシー!後、カプセルJ!勝手に何処かに行くな!これに成功したら、一生遊べるほどの金が…ふへっへっへっへ!」
この変な笑い方をしているのは、ローリングタートル。
相手に厳しく、自分に優しい奴だ。後、彼の特徴と言えば、見た目よりのんびりしていないという事くらいだ。
カプセルJ「さて…もう一度暗殺内容を確認した方がいいんじゃないか?」
スクイッシー「おいおい…まさか、この俺に説明台詞を言えと?ふう…それじゃ、一回しか言わないから、良く聞いてろ。
俺は数日前、依頼人に、殺しを頼まれた。そして、俺はそれを引き受けた。殺しの料金は、前払い100万デデン。成功報酬500万デデンと依頼側から提示して来た。当初は俺一人でやる予定だったんだが依頼側が、後二人程仲間を用意して欲しいと条件を出された。俺は、二人にも俺と同じ料金は払うなら問題無いと少し、無茶な事を言った。俺は、一人で暗殺をする方が好きなんだ。まあ、そこは置いといて、しかし、依頼人はそれを承諾した。そして、俺は昔からの暗殺仲間、ローリングタートル。カプセルJを呼んだという事だ」
カプセルJ「肝心な暗殺の依頼内容が抜けているぞ。スクイッシー」
ローリングタートル「面倒くさいな!依頼は、とある病院の一人の患者の殺しだろ?こんな簡単な事で、600万デデン手に入るんだぜ!最高だぜ!」
カプセルJ「貴様は油断をしすぎだ。暗殺の影響が出るぞ」
スクイッシー「しかし…お前達は、確か、子供や妻が居るんだろ?まだ、暗殺者をやっていた事が不思議だったよ」
カプセルJ「まあ、今までとは違って守るモノがあると言うのは、大きいな」
ローリングタートル「そうだな。まあ、俺は家族に暗殺者だなんて言えないけどな!」
カプセルJ「まあ、家族には話さないで秘密にはしている。」
スクイッシー「お前らも大変なんだな〜。さて、任務に戻るぞ。確か、この部屋にターゲットはいるんだよな」
カプセルJ「早く済ませるぞ…」
…ガチャ 静かにドアが開く
ターゲットは入院している患者でベットで寝ている様だ。
ローリングタートル「うわっ!何だ、お前!」
スクイッシー「おい!何声出しているんだ。お前って…おい!何処だ。タートル!」
カプセルJ「何を大きい声を出している」
スクイッシー「タートルが何処かに消えたんだよ」
カプセルJ「…(銃を構える) そこにいるのは誰だ?」
???「これは…実験というより、儀式だな。クックック…死の儀式。ローリングタートルは現在、この、とある病院の中の何処かにいる。まあ、ここから逃げるというのもあるがな。逃げれば俺は追いはしない(そう言って何処かに消える)」
カプセルJ「…タートルを助けるか?私は助けるべきだろう。彼には家族がいる」
スクイッシー「そうだな…しかし、あいつの正体は?」
カプセルJ「そんな事どうでも良いだろ。ターゲットもダミーだった。つまり、我々はあいつに騙されたという事だ。目的は不明。…タートルを救って逃げれば良い」
スクイッシー「すまない。俺がお前らを誘わなければ…」
カプセルJ「謝るのは、これが終わってからだ。問題無い。タートル含めて、俺達は一流の暗殺者だからな」
スクイッシー「…ああ、そうだな」
そして、我々は病院の中を全て探したが、タートルを見つける事は出来なかった…
スクイッシー「ん?おい!地下室があるぞ!」
カプセルJ「後の部屋は全部探した。となると恐らくここにタートルがいると言う事だな」
そして、私はドアを開けた。すると…そこには、衝撃的な光景を目に入ってしまった。
カプセルJ「貴様!タートルに何をしている!」
そこには、片目が潰されていて、さらに、腹を引き裂かれているローリングタートルがいた。
ローリングタートル「ウグッ…!ガハッ!…アア」
???「クックック…君達、遅すぎるよ。少し遊んじゃったよ。さて…辛うじて生きているね。まあ、こんなにするまで死体をぐちゃぐちゃにする必要なんてないだがな」
カプセルJ「貴様ッ!死ね!(銃を???に向けて撃つ)」
バーン!バーン!バーン!
???「このゴミを盾にでもするか!(ローリングタートルを盾にして、銃弾を防ぐ) クックック!貴様のせいでこのゴミは死んでしまうぞ!」
カプセルJ「…私は、貴様ほど命を粗末にしているのは、初めてだ。」
その時だった…
スクイッシー「すまない、俺はここにいる理由はない。あいつは死んだんだよ…逃げよう。」
カプセルJ「駄目だ!俺は殺す!あいつには…家族がいたんたぞ!」
???「クックック…そうか、ならばその家族にも私が手を下せば良いのかな?君達の家族も一緒に実験台にしてやるよ!」
カプセルJ「…貴様!どこまで、生命を馬鹿にしているんだ!」
???「暗殺者が…何言っているんだ?お前も切り刻んでやるよ!」
スクイッシー「俺はまだ、やる事があるんだ。俺は仲間のために死ぬだなんて出来ない。ここで、お別れだ。カプセルJ…(地下室から逃げる)」
カプセルJ「おい!スクイッシー!我々は仲間ではなかったのかー!?」
???「彼は正しい選択をしたよ。(そう言ってカプセルJを掴む)おい!チリー!こいつも、刻んでも良いよな…」
カプセルJ「…!チリーだと!チリー!私だ!覚えていないか!?」
???「チリー、こいつとは、知り合いなのか?」
チリー「ええ…なので、彼は、あなたが実験台にして良いですよ。私の計画には知り合いは邪魔でしかありません。ダークマター」
ダークマター「そうなのか。それじゃ、早速実験の準備に取り掛かるか…ローリングタートルの死体は、またあそこに運ぶのか?」
チリー「ええ…今、僕が通っている学校の校庭の中に埋めていますよ」
ダークマター「儀式の為とか言っていたな…君はオカルトを信じているのか?」
チリー「信じる者は救われます。死体は、土に埋める事で、邪魔な肉体は見事に土に還ります。残るのは、絶望と言う名の、骨だけ。その骨達を、この学校の敷地内にある、鳥居に置くと、それが、霊体化…まあ、具現化と言うのでしょうか…。そして、生まれるんです。絶望の塊が…それは、もう死ぬ事はありません、だってもう死んでいるのだから。そして、永遠に…私と一緒に…」
ダークマター「まあ、君はやりたい事を勝手にすれば良い。…さて、カプセルJ。これから、君の頭に、ウイルスを送り込む。詳細はウイルスを送り込んだ後話す。安心しろ、死ぬ訳じゃない。まあ、家族は死ぬだろうがな…」
カプセルJ「おい!やめろ!私に何をさせるつもりだ!やめろ!…チリー!助けてくれ!…助けて!お願いd…(気を失う)」
ダークマター「クックック…実験開始」
チリー「しかし…随分散らかしましたね、死体」
ダークマター「おい…死体じゃなくて、ゴミだ。今度から死体をゴミと呼ぶんだ」
チリー「ゴミですか。まあ、言い方なんてどうでもいいですよ」
私は、気を失った。
これは、夢なのだ。
きっと、次に目覚めたら、妻が傍にいて、二人の息子が私が起きるのを待ってくれる。
そして、妻と面白い無駄話を永遠として、息子達と、一緒にゲームをするんだ。
少し経った後に、食事を4人でして、皆で笑い合うんだ。
そして、皆で楽しく風呂に入って、そしてベットで横になって思うんだ。
『今日も良い一日だった』
あれ?楽しいはずなのに、どうしてこんなに悲しいんだ?
どうして…こんなに涙が溢れるんだ?
私が、今いるのは、夢の中なのかもしれない。
現実の私は、冷たい手術台の上で苦しんでいるのかもしれない。
そう、これは、つかの間の、はかない夢だ。
きっと、現実は壊れていて、もう、元には戻らないだろう。
…ある者がこう言った。
『夢はいずれ目覚め、壊れてしまう。だから、どんな夢でも楽しもう。そもそも、夢とはそういうものだから』
私自身もいずれ、この夢でも壊れてしまう。ならば今の内にこの夢を楽しもう。
さあ、今日は何処に行こうか。我が家族よ。どこへでも連れていけるぞ。
死の儀式 完