第二の人生の始め方
俺の名前はクーザー。
俺は探偵という職業をしている。
そして俺は今、とある依頼を受けている。
アポロ「僕の友人が、とある宗教に行ってから何か様子がおかしいんです」
クーザー「宗教?なかなか、根が深そうですね…」
アポロ「ええ…僕はそういうのは分かんないんです!けどすごく怖いんです!どうか、友人を救ってください!」
クーザー「まあ、大抵の事は金でどうにか出来ますからね。それじゃ…私がその教団に入り友人を監視していればいいんですね?」
アポロ「はい!それじゃ…この場所を拠点として活動しているみたいなので!本当に宜しくお願いします!」
…しかし、変な依頼を受けてしまった。
まあ、私には金が全てだ。金以外に愛する者などいないのだから。そのためならば、私は全てを犠牲にしても良いと思っている。そういう私には探偵という仕事は天職なのかもしれないな。
後日…
クーザー「ここか…(アポロに渡された、拠点までの道のりの地図を見ながら門の前に立つ)」
ガチャ…ドアの開く音だ
ガニョッキ「何か…用ですかぁ?(だるそうな口調でクーザーに話しかける)」
クーザー「ああ、宗教希望者です」
ガニョッキ「ふ〜ん。まあ、いいや。それじゃ、来てくれる?」
クーザー「はい、分かりました」
私自身、宗教と言う物には、あまり興味はない。しかし、時折見ているニュースでは逆説的正義を唱えて事件を起こす等の所謂、カルト教団についての特集をよく目にする。私と宗教の関係はそれくらいだ。
少し、長い廊下を渡りドアがある所まで連れて行かれた…
ガニョッキ「とりあえず…教祖様の所に行き…話をしてください…」
私はドアを開けた。
そこには、無数の人達が何かに祈っていた。
いや、何かではない。明らかに教祖と思われる人物が手を広げ何かを言っている。しかし、教祖の顔は、おろか全体像も理解出来ないくらいのフードを被っている。
教祖「いずれ!この世界には秩序が訪れる!しかし、それは上の者達の都合の良い秩序だ!さあ!祈るのだ!祈ればきっとあのお方が現れ、我らに本当の秩序を与えてくれるだろう!」
加工された機械音が部屋中に響く。
さて、アポロの友人を捜さないと…
アポロの友人の情報は頭の中に叩き込んでいる。特徴、姿、口調、異性の好きな体の部位まで知っている。
勿論、名前もだ。友人の名前はカニル。
見渡す限りでは居ないな…
その時教祖が私に向けて口を開いた。
教祖「アナタは初めて見る顔ですね!さあ、私の元へ来て下さい!」
俺は周りの温かい目線と共に教祖の元に行った。
クーザー「で?何ですか?何か私にするんですか?」
教祖「ええ…通常なら、40000デデン取る所を今回は初回サービスでタダでしてあげます」
クーザー「何を…するんですか?」
…インチキ教団だな。つまり、詐欺だ。俺は確信した。
怪しすぎる。内容から全て、怪しい。どうせ、金儲けに目が眩んだんだろ。
普通こんなのに騙されるかよ…
まったく最近、プププランドは平和ボケしすぎだな。
まあ、タダだから。何をしようと別に良いのだが…
教祖「私が今からやるのは、あのお方から授かった霊能力です。霊能力とは、霊や魂、精霊、生霊等のスピリチュアリズムを感覚したり、その力を利用して駆使する能力の事です。そして、私はそんな霊能力を駆使して、超常現象をお見せします。なので別室に移動しましょう」
…オカルト過ぎるだろ。私は幽霊等は信じていないし、霊能力で超常現象なんか出来る訳がない。まったく…もう少しまともな所だと思って身構えていた自分が馬鹿みたいだ。インチキ確定!早くカニルを連れ戻して帰ろう。
そして、別室へ…
教祖「始めましょう…特とご覧あれ!(急に周りに霊魂らしき者が現れる)」
クーザー「…CGだろ。(霊魂に触る) うわっ!冷たい!…ええっ!」
教祖「こんな事も…(火の玉が現れる)」
クーザー「火…火の玉だ!スゲーーーー!」
い、いや…騙されるな。これだって何か仕掛けが…
教祖「これを切ってみてください(教祖の手からいきなり物体が現れ、包丁をクーザーに手渡す)」
クーザー「全然、切れない!あれ?何で?!えっ!嘘っ!」
この時思った。
この教祖、本物の霊能力者かも知れない。
これは、四万デデン払う価値がある!
クーザー「…素晴らしい」
教祖「あなたも…こんな事してみたいですよね。さらに、この霊能力を利用すれば世界は正しい秩序に満たされる事が出来るのです。あのお方が居れば…」
クーザー「そんな事…出来るんですか。」
教祖「勿論、霊能力には誰にでもある!だがそのきっかけは、あのお方が現世に存在していないといけない!だが、あのお方は今ここにはいない!あのお方の出現条件は、建設費十二兆デデンの御殿!しかし!お金がまだ足りていない!だが、早くあのお方を呼ばないと世界は大変な事になる!」
クーザー「それじゃ俺、お金出します!」
教祖「ええ、この教団に入りなさい。入会料は100000デデンだ。そして、月に10000デデン。さらに自分にある霊能力を磨きたいのなら追加料金でご指導しています。霊能力者を一人でも増やし、この世界に救済を!」
クーザー「はいっ!」
そして、俺はこの教団に入る事にした。
それは決して自分に霊能力が欲しいからでも無く、あのお方とか言う奴に会いたいからでも無く、だからと言って世界を救済したいとかじゃない。
俺は、このカルト教団を乗っ取る。
そして、
俺は教祖になる。
これで、俺は大金持ちになれる。
その為なら犠牲は問わない。
これは良い金儲けだ。
賭けてやるよ…この教団に!人生を!
俺が教祖になれば、人を騙すだけで金が手に入る!
いや…全て!全て手に入れてやる!
その為にはこの教団の全てを知る必要がある。
これが、俺がこの教団に入会した理由だ。
さあ、始めよう。俺の第ニの人生を!
俺の人生をバラ色に変えてやるよ…
第二の人生の始め方 続